23 ページ24
syo side
いつも通り仕事をして、休憩するためにバルコニーにでて煙草を吸う。
すると、いつもは誰もいないはずの丘に女性が一人立っているのが小さくわかる。
いつもの人だ…。
たまに…月1ぐらいであの女性を見かける。
いつも猫と戯れて何かを読んでいて…そして夕方に帰る。
どんな顔なのかは全く分からない、城から見るには小さくてよく分からない。
近付いて…みるか。
今日の分の仕事は書類だけだったし夜にでも終わらせることは出来る。
城から抜け出してその丘を目指していけば、ニャーという鳴き声が聞こえてくる。
丘の一望が見えた時、その女性は猫に囲まれて寝ていた。
……可愛い。寄り添ってる猫も可愛いが女性も可愛い寝顔をしている。
俺も猫好きだしよくここに来る。
でもこんなに人にくっついてるのは見たことがなくて…
最初は俺を見た時に警戒した猫たちも俺に気づいたのか警戒をやめて擦り寄ってきた。
女性は本を抱えたまま、すやすやと眠っている。
寝顔が少し幼く見えるが同年代ぐらいだろうか…
隣で座って猫を撫でていても起きる気配がない。
どんどん日が落ちてきて少し風が冷たくなる。
起こしたいがぐっすり寝ているし起こしづらい…。
ジャケットを脱いで女性にかけて、自分は帰ろう。
背を向けてもう少しで女性の姿が見えなくなる、という時に木の枝を踏んだパキ、と乾いた音に女性が起きてしまった。
『…ん……あれ…もう夕方…ん？これ誰の？』
掛けていたオレのジャケットを見て首を傾げる女性。
だが考える素振りをして暫く経ったかと思えば頭を抱え始めた。
小声で何かを言っているがよく聞こえない。
起きたなら姿を現してジャケットを返してもらおうか…いや、でもそんなことしたら俺明らかに不審者っぽいし…
なんてことを悶々と考えていると、突然視界にキラッとした眩しいものが視界に入る。
その光を見た瞬間俺は先に体が動いた。
その女性の前に飛び出れば驚いた顔をしている。
だがそんなことに構っている場合ではない。
手を引いて引き寄せ、女性が怪我しないように頭に手を回して覆い被さるように伏せれば、先程女性がいた場所には大きな弾痕が残っている。
猫は驚いてどこかに消えてしまった。
ーー
少し寒くなって起きれば、紫色のジャケットがかかっていた。
誰か来てかけてくれた…？
サイズは明らかに男性ものだ。
風に流されて漂ってきたジャケットの匂いはピースの匂い。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 721人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
rimu@他力本願寺建築完了 - え。鼻と口からトマトジュースが､､､？ (2022年4月24日 1時) (
レス) @page1 id: 8604b433e3 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃丸(プロフ) - はへ...すきれす... (2021年8月2日 11時) (レス) id: 597a2f7268 (このIDを非表示/違反報告)
ビビ - うわぁぁぁ！！読んですぐ好きになりました！更新頑張ってください！！ (2021年8月1日 18時) (レス) id: 23a9beafd0 (このIDを非表示/違反報告)
猫大好き - 軍パロあまり見てなかったのですがこの神作のおかげで軍パロめっちゃ好きになりました。 (2020年11月8日 15時) (レス) id: 932515d6d7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - shaさんにキス…良いですねぇ夢主の性別が向こうが知ったときのshaさんの反応が楽しみや…これからも無理せず頑張ってください！楽しみにしてます！ (2020年9月12日 0時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あるっぷ
| 作成日時：2020年9月10日 0時
