魔法薬学者の旅

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『オカミーの数、1匹足りなく無い？』

「え、ほんとだ……危ない、気づかなかったよ」

『小さい場所に隠れてたら厄介ね…私他のところ見てくるわ』


他の動物を確認しに行こうとしたらニュートにパシッと腕を掴まれ、引き止められる。


『え？』

「どうして他のところ行くの？」

『え、と…他の動物を確認しに…？』

「後で一緒に行けばいいだろ？」


不思議そうに見てくるニュートに思わず反射的に頷いたが……よく良く考えれば何故？と思う。

その時、コワルスキーさんの驚く声がした。
どうやらオカミーを触ろうとしたみたい。


『その子警戒心強いから触らない方がいいよ』

「そうか…」


コワルスキーさんはニュートにそっとオカミーを戻す。


「なぁ、スキャマンダーさん」

「ニュートでいいよ」

「ニュート…夢じゃないよな？」

『なんでそう思うの？』

「俺の頭じゃこんなの思いつかない」


コワルスキーさんは嬉しそうに言う。
それを聞いて心做しかニュートも嬉しそうだ。


「そこに入ってる餌を、ムーンカーフにやってくれるかな？」

「あぁ、いいよ」

「こっちだ」

『あぁもう……やっぱり二フラーがいない。テディまた光るものに釣られたのね』

「そいつも早めに探さなきゃな」


コワルスキーさんにムーンカーフの場所を案内して私は他の動物に餌をやるニュートの手伝いをする。


『嬉しそうねニュート』

「え？何が？」

「コワルスキーさん、動物好きそうだし」


遠目からムーンカーフを撫でながら楽しそうに餌をあげているコワルスキーさんの姿を見る。


「あぁ。彼は優しい心の持ち主だね…ムーンカーフも懐いてる」

『良かった…』


コワルスキーさんを眺めていれば、顎を掬われニュートの方を向く。
ちゅ、と小さいリップ音を響かせニュートが離れていく。


『どうしたの？』

「僕を見ててよ」

『…今日のニュートは甘えん坊ね』

「だって君、よそ見ばかりするだろ」

『それはニュートもね』


お返しに頬にキスをすれば違うとでも言いたげな顔だ。


「頬じゃないだろ？」

『んもう…ここにはコワルスキーさんだっているのに…』

「まだスキンシップに慣れないの？日本人は愛情表現もっとした方がいいと思わない？」

『小さい時からこっちにいるけど私は慣れないわ』


だって恥ずかしいじゃない。
でも日本人の遠回しな表現より、直球に愛が伝わるから私は好きだが…照れてしまう。

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