閑話:リボーンズファイルその1 ページ22
◆笹川了平の証言
あの日オレは、ほんのちょっぴり気落ちしながら部室に向かっていた。せっかくの授業参観だからと指名された問題が極限にわからず、おふくろに呆れられてしまってな。トレーニングで気を持ち直そうと急いでいた。
ふと、中庭の角から聞き覚えのある声がした。通路を逸れて覗きに行ったが、思い浮かべていた姿はなく、代わりにいたのは一人の男だったのだ。
『君、いま目があっただろう。道を教えてほしいんだが』
階段のありかも教室の位置もおぼつかない保護者が大勢訪れる授業参観日において、生徒が案内を頼まれるのはまあまあよくあることだ。一年生の保護者だろうと思って案内を引き受けた。
背が高く、目に覇気のない、弱そうな男だった。オレの親父でももう少し頼りになる背中をしているのに、と驚いたくらいだ。印象強くはあったがまったく興味が続かなくてな、部活が始まれば一瞬で頭から消えていた。
だが、さきほど鈴兎について話を聞いたときにぼんやり思い出した。何故あの時の男を連想したのか考えてみたら、聞き覚えのあった声を思い出し、極限に繋がった！
『やっぱりお前なんか嫌いだわ、このハゲ親父！！』
声は鈴兎のもので、あいつがオヤジと呼んだのがあの弱そうな男だったのだ！！
ん？たしかに『嫌いだ』と聞こえたが、親子喧嘩や反抗期でつい言ってしまう程度のものだと思うぞ。相手を本気で嫌悪していたらわざわざ嫌いと伝えるより先に笑って鼻を折る、と鈴兎本人が言っていたからな！なあ、沢田！
ではな。オレと京子は帰るが、沢田もしっかり休めよ！
◆沢田綱吉の証言
言われてみると、言ってたな、そんなこと…持田センパイがもし次なんか吹っかけてきたらすぐ言ってくれよな！って付け加えてさ。こっちが思ってる倍くらい根に持つんだよなあ、根津のときもなんか怖かったし。
大丈夫ってことでいいのか？いや、オレが鈴兎の家族関係を心配しても何にもならないのはわかってるけど！今日だってミヤビにいろいろ言われてたの横で聞いてたのに、何も言えなかった…し……あっ。
いや、あの。口止めされてたんじゃないんだ、オレが自分の判断で隠してて！少なくともヴァリアーとしてオレを襲いに来たわけじゃなかったし、二人が会って話してたのはほんの十数分程度だったし、戦闘はなかったから！
ミヤビは会いたくて会いに来ただけだと思うから！
◆鈴兎の不在:父親への報告
ミヤビの情報を共有しているもよう
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卯月伍(プロフ) - 暁月臨さん» ありがとうございます！下手すると数ヶ月とか挟んで急に投下するスタイルですが、続きを待っていてくださる方がいると思うとモチベが上がります！ (12月21日 20時) (
レス) id: cac572832d (このIDを非表示/違反報告)
暁月臨(プロフ) - めっちゃ好きです…！続き待ってます！！ (12月12日 14時) (レス) @page30 id: 59dc159e7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：卯月伍 | 作成日時：2020年11月14日 12時
