違いがあるとすれば身長くらい ページ17
思っていたより落ち着いた様子のツナに安心すると同時に、ああ残念、と呟くミヤビへの警戒心が増す。
「さて、なんでここにいる？オレに擬態してまでツナになんの用」
ツナを隣に引っ張って問えば、ミヤビはちょっぴりバツの悪そうな顔をして両手を挙げた。装いはオレとまるっきり一緒だ。応接室から出た時、「あれ、さっき階段にいたよな？」なんて尋ねてきた通りすがりの委員の先輩、「バカモンそいつがル◯ンだ！！」って怒鳴ってすみませんでした。昨日はヴァリアーの隊服をきちっと着て、眼鏡をかけて、髪もセットしていたからまだ判別できた。さすがにここまで似せて来るとは思わないじゃん。
「そんなに怒らないで、害するつもりはないんです。昨日の様子を見てから、あなたの大事な沢田綱吉様に興味がありまして、お見かけしたので敵情視察も兼ねてちょっとした会話を。本来の目的はあなたと会って話すこと。この格好は校内で堂々と歩くための最適な変装で、沢田綱吉様を陥れる意図あってのものではありません」
「…ふうん？」
ミヤビは愛想のいい笑みを浮かべている。昨日の嬉しそうなニコニコ顔とは違って、形式的な笑顔だ。言うなれば鉄壁の外ヅラ。オレが怒ってるからって装備しやがったなこいつ。どうやら弟は姉に糾弾されるのが苦手なようだ。
「あの…鈴兎、この人は？昨日ヴァリアー側にいたよな？」
おずおずと小さく挙手をしたツナ。これ、紹介する流れだよな。ミヤビは相変わらず笑顔で黙ってるし。
「こいつはミヤビ。商店街でロン毛に人違いされた相手。六道骸に人違いされたのも多分こいつです」
「うん…うん？」
「オレは最近まで知らなかったけど、オレの双子の弟らしいです」
「は？？？」
ツナが宇宙を背負ってしまった。スペースマグロ。ふふ。思わず笑ったら脛を蹴られた。ごめんて。
すると、ミヤビが微笑みを忘れてきょとりと瞬いた。続けてゆーっくりと複雑そうなむつけ顔になって、少し唇を尖らせる。
「…随分と、仲のよろしいことで…
そういえばこいつ、姉過激派だった。オレとツナがあまりに仲良しだから妬いちゃったか？へへ、幼馴染で親友なオレたちにはつよーい絆があるんですわ！ああ、絆っつーか、信頼つながりだけど、
「それを言ったら、XANXUSとお前もだろ。今日はその話をしに来たと予想するけど、どう？」
「…あたりです」
姉弟二人してにこりと笑う。廊下はシンと静かで、冷えていた。
双子ってもっと以心伝心の仲なんじゃないの？幻想？→←フライング
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卯月伍(プロフ) - 暁月臨さん» ありがとうございます！下手すると数ヶ月とか挟んで急に投下するスタイルですが、続きを待っていてくださる方がいると思うとモチベが上がります！ (12月21日 20時) (
レス) id: cac572832d (このIDを非表示/違反報告)
暁月臨(プロフ) - めっちゃ好きです…！続き待ってます！！ (12月12日 14時) (レス) @page30 id: 59dc159e7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：卯月伍 | 作成日時：2020年11月14日 12時
