フライング ページ16
昨晩の会合を終えて、今日の夜11時には晴戦がはじまる。一応オレもあの場にいたし、観戦する気しかないわけだが、現在オレも学校に来て、落ち着かない気持ちをどうにかやり過ごしていた。
「あ゛〜〜〜っっっっ今日はもうムリ！！！」
恭ちゃんが家庭教師の跳ね馬と修業をしている間、風紀委員としての仕事は停滞する。オレが片付けておける分は肩代わりしてやっておこうと思ったのだが、部活ごとの大会や練習試合の報告書、学校行事の企画書、町内施設の責任者から送られてくる支援継続のお伺いなどなど、なにぶん量が多い。目まぐるしく舞い込んでくる仕事をちぎっては投げ、ちぎっては投げ…ランポウのサボり癖によって身についた忍耐とデスクワーク能力をもってしても、なかなか骨の折れる作業だった。
没頭すれば浮つかないで済むと思ったから始めたことだが、何も今日全てを終わらせる必要はない。ペース配分きっちり分けてこう。つーわけで今日の分の業務は終わり！！
「ツナに！会いに行く！！」
ミヤビのこと、話しておかなきゃいけないし。
◆
「おーいツナ〜！」
「鈴兎！お前も学校来たんだ…」
「来るよ、ツナが心配だし。もう他の奴らとは話した？今晩のこと」
京子ちゃんのお兄さんと別れてすぐ、廊下で鈴兎に呼び止められた。小走りで寄ってきたと思えば、いつもより少し距離をあけたところで立ち止まる。
「いちおー話したよ。みんなやる気だし、オレばっかりずーっとヤダヤダって思ってて、気が重いったら。今もよく飲み込めてないしさぁ…」
「へえ。嫌がってるとは思ってたけど、やっぱり不安だよな」
「えっ？」
違和感だらけの相槌に固まる。いつもなら、オレがぶちぶち言う時は笑い飛ばすか本気で心配するかのどっちかなんだ。大袈裟に頭を撫でてきたりして、「うんうんツナくんはオレが守るからねぇ〜！」とか言ってくると思ったのに。どこか、他人行儀というか。
鈴兎も本調子じゃないのかな、と見つめてみたが、そこであることに気づく。目が合わない。正確には、鈴兎がオレを、他人を見る目で眺めている。脳裏をよぎったのは、鈴兎にそっくりな眼鏡の少年。
思わずあっと声を上げそうになった時、相手が後ろに跳んで距離を取った。
ガァンッッッ！！！
さっきまで相手が立っていた場所に、脚立がぶち当たって壊れる。
「ツナ、無事？」
脚立が飛んできた方を見れば、鈴兎が怖い顔でこっちを見ていた。その目はオレを見ている。本物だ。
違いがあるとすれば身長くらい→←報告を聞いた鹿目は椅子から落ちた
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卯月伍(プロフ) - 暁月臨さん» ありがとうございます！下手すると数ヶ月とか挟んで急に投下するスタイルですが、続きを待っていてくださる方がいると思うとモチベが上がります！ (12月21日 20時) (
レス) id: cac572832d (このIDを非表示/違反報告)
暁月臨(プロフ) - めっちゃ好きです…！続き待ってます！！ (12月12日 14時) (レス) @page30 id: 59dc159e7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：卯月伍 | 作成日時：2020年11月14日 12時
