キミガシ……え？死ななくていいって？2

リクエストより〈イタズラ記1〉 ページ23

カンナ「ユキヤさんっ、オリさんがっ！！！」


それは、なんということもない、俺がジョー達とアイスを食べていた時の話である。


カンナちゃんがそう言って俺の部屋に駆け込んでくるもんだから、食っていたアイスをほおり投げて、彼女の後ろをついていった。




ロビーに広がった惨状を見て、思わずひゅっと息が止まる。




床に広がる、赤い液体。

顔を覆って泣くナオさんと、それを宥めるミシマさん。






その、液体の中央で、うつ伏せに倒れている、オリ。






一瞬だけ、膝から崩れ落ちそうになった。




ジョー「なっ……!!!!」

サラ「オリっ！？」


後から来たサラ達も、この惨状を見て驚きの声をあげる。



カンナ「…カンナ達が来た時には、もう、息が……………っ、」



そう言って、顔を覆うカンナちゃん。






ユキヤ「………………。」




俺は、ゆっくりオリに近づいた。






ユキヤ「………………なぁ、嘘だろ？」


そう問いかけるも、返答はない。





ユキヤ「…………なんでっ………こんな………」




言葉を震わせ、目元を手で覆う。





ユキヤ「……………まだ、決着ついてねーし、




ゲームも返してもらってねーし……それに…………







…………なぁ、オリ。








…………………こんな事になるなら、もっとはやく、お前に伝えてれば良かったな。





……………今さら、かもしんないけどさ。









………………オリ。









.









.









昨日お前が楽しみに取っておいたって言ってた限定プリン、食ったの俺なんだ。」






「「「「……………え？」」」」





見事に他の奴らの声がハモった。ハッピーアイスクリーム。






ユキヤ「プリンといえば、お前が水泳の授業で平泳ぎの時ぜんっぜん前に進まなくて大恥かいた日も、限定プリンの発売日だったな…。

…今思えば、懐かしいよ。

あぁっ、そういえば、2人でカラオケ行った帰りにお前が犬に驚いて側溝に落ちた時もあったっけ…

全部、大切な思い出だ………くっ、思い出したら涙が出てきたっ………!!!!」




ポケットに入れていた目薬を垂らす。
言わずもがな、嘘泣きのためだけどもな？







ユキヤ「………あぁ、それとオリ……………









………………ペンキって、洗ってもなかなか落ちないらしいぜ？」

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