キミガシネ？...嫌に決まってんじゃん。2

六九 ページ28

彼女の口からこぼれた弱音を、ただ黙って聞いていた。



織が見せる繊細な部分に、俺はどうも弱いらしい。


どこか泣きそうな表情をみると、胸が苦しくて仕方ない。


笑っていてほしい。

コイツの重荷をとっぱらって、心の底から、笑っていてほしい。

コイツがしてくれたように、俺はコイツの背負ってるものを、全部なくしてやりたい。


だから必死に、でもそれを悟られないように余裕気に言葉を紡ぐ。




…まったく、情けない話だ。

他のことは楽勝なのに、コイツの事になると余裕がなくなるとか。



……………魔性の女だって話だっつーの。






『__俺、天才だろ？』


織「………うっせ、ばか。」







ニコリと、織が笑った。



それを見て、ふっと温かくなった心と頬を感じて、つくづく実感する。





………………あ゛ーー…くそっ。









俺って、わりと単純なのかもなぁー…………！！





_____________


『………はぁ。』



あれから、何度ため息をついただろうか。





いや………あいつが案の定ミシマさんのこと気にしてて、少しはそれが軽減できたみたいで良かったと思ってるし、よりいっそうやっぱ支えてやりてえなぁと思ったのも事実だよ。おう、事実だとも。




………で、さっきの笑顔で不覚にもドキッときたことも認めよう。えぇえぇ認めてあげようじゃないか。









.









………俺、まじであいつの事好きすぎじゃねぇ………… …？？？？？






『……………ぬうあああ………。』





うわぁ最悪、今ぜってえ顔赤い、うわぁ……



俺、こんなキャラか？

前まで…いや、今も結構モテてたじゃないか、俺。

ウブとか奥手とかそういう感じじゃないじゃないし、俺だって好きな奴ができたら余裕でリードするかっこいい振る舞いができる自信があったぞ？


ただ微笑まれただけでこっっんな顔赤くするとか柄じゃないだろっっっっっっ！？！？！？


ガキかっ！！

恋愛初心者かっ！！


何してんだよ俺ぇぇぇぇ！！！！






ソウ「……………大丈夫？」

『はっ…………！！！』





心の中で雄叫びをあげ天を仰いでいたところを無事ソウさんに目撃され、俺はさらに顔を赤らめるはめと、なったのだった。

七零→←六八

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す