Lxxxiv ページ50
コウ「なん…………は、お前、生きてたのか…?」
私から手を離すと、明らかに訳分からないという顔をしながら私の顔面を凝視する新村君。
それはそうだ、私はあのゲームで死んだはずなんだから。
「え、コウ君、この子と知り合いなの…?」
そんな新村君の様子を見て、女性の方も戸惑ったように彼に尋ねた。
女性の方は、本当に見覚えがない。確実に初対面だ。
…まさか、新村君が泣かせてきた女の子(私の脳内限定)の1人か…………?
コウ「こいつは北星ツヅミ。俺やユキナリと一緒に、狼ゲームに参加していた。
…でも、お前は森ミサキに殺されて死んだはずじゃ…」
なにはともあれ、敵ではない。
なら良し。霜月君を助ければいいだけだ。
パンパンと服をはたいて、驚いているらしい新村君を横目にスタンガンを回収する。
『殺されてなかったから今ここにいるんでしょうが。それとも何?幽霊なんて非科学的物ん信じてるとか言い出すわけ?』
しっかり懐にスタンガンを納める。
新村君達の方を振り返ると、新村君はますます怪訝な顔をして私を凝視しているではないか。
コウ「…お前、本当にツヅミか?」
あぁ、デジャブだ。めんどい。だるい。
霜月君の時もそうだったが、いちいち説明すんのめんどくさいしそもそもそんな時間もない。
『そこら辺は霜月君に聞いてくんないかな。同じ事を2度話したくない。
…というか、説明してる時間もないし。』
「え、えっと…」
と、私と新村君のやり取りを聞いていた女性が恐る恐ると言った具合に声を上げる。
「ともかく、貴方は敵じゃない…ってことなのよね?」
『まぁ、うん。君らを襲ったのは霜月君助けに来たら怪しい2人組に隠れてたのバレて口封じしようとしたからで…目的が一緒なら敵じゃないと思うよ。』
「貴方もだいぶ怪しかったけど…
でも良かった。仲間が増えてラッキーってことね!」
あ、この人ポジティブな人だ。
「私は小野寺リンカ。フリージャーナリストで、訳あって狼ゲームの真相を追ってコウ君に協力してるの。
私的には貴方からも話が聞きたいから、仲良くしてくれると嬉しいな。北星ツヅミちゃん。」
そう言って、なんの曇もない純粋な笑顔で手を差し出される。
握手を求められてるようだ。
『仲良くするかはともかく、こちらこそ宜しく、小野寺リンカさん。』
そんな彼女の手を、満面の作り笑顔で握り返した。
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クライヤ(プロフ) - 白井ゆりさん» そう言っていただけると嬉しいです!!これからも続き更新してきますので楽しみにしててください!! (2022年3月23日 6時) (レス) id: 8a85863d1f (このIDを非表示/違反報告)
白井ゆり - かなり続きが気になります‼︎ 続き書くの頑張ってください‼︎ 待ってます‼︎ (2022年3月23日 1時) (レス) @page36 id: fb320e0723 (このIDを非表示/違反報告)
クライヤ(プロフ) - なかねこさん» こちらこそ読んでくださりありがとうございます!!!喜んでいただけているようで嬉しい限りです!!!!これからも更新頑張っていきます!! (2022年3月20日 11時) (レス) @page19 id: 8a85863d1f (このIDを非表示/違反報告)
なかねこ - 続編ありがとうございます!占ツクログインしよっかな...ログインしたら間違いなく一番にお気に入り作者に入れます!!!!いつも面白い作品ありがとうございます!応援してます! (2022年3月19日 18時) (レス) @page11 id: c7c3a69365 (このIDを非表示/違反報告)
クライヤ(プロフ) - 青いGさん» ありがとうございます!!!そう言って頂けると嬉しいです!!いつも読んでくださり感謝の極みです!!!これからも更新頑張ります!!! (2022年3月19日 10時) (レス) id: 8a85863d1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クライヤ | 作成日時:2022年3月19日 4時