Lxxxvii ページ48
監視カメラがあるかもしれないので、バイクのヘルメットを被ったまま侵入する。
傍から見たら、私だってだいぶ怪しい。
そしてなにより、暗い。
スマホのライトを使えばいいのかもしれないけど、警察の人と鉢合わせするかもしれないから、なるべく使わず進みたいのが乙女の心情ってやつである。
懐には、スタンガンだって入ってる。
ノープランではあるけど、かといって自分が無能であるとは思っていない。
…さてと、どこにいるんだか。
ビルの中は、なんだか不気味だ。それこそ心霊スポットと言われても正直納得する気がする。
でもまぁ、あんな生死をかけたゲームをした後なので格段怖いなんて気持ちはこみ上げてはこなかったが。
ところで、相手がムキムキマッチョとかだったらどうしよ。
とりあえず隠れとくか、それとも急所でも蹴るか。
…あ、そう考えるとムキムキマッチョマッチョじゃなければ多分勝てる気がしてきた。
なるべく音をたてないように静かな廊下を歩きエレベーターと階段の前を通りかかった頃、ふと地下につながる階段の方から、かすかではあるが声がした。
霜月君か、それとも2人組かは分からないが、手がかりがない以上確かめに行くしかない。
静かに階段を降りていく。
「_?」
「____!」
慎重に歩みを進め地下についたとき、ぼんやりとしたあかりが数メートル先に見えた。
私は、すぐに物陰に身を隠してそちらを覗き見る。
霜月君…ではない。
後ろ姿しか見えないが、1人が帽子をかぶった男、そしてもうひとりが髪の長い女性。恐らく、2人組の方だ。
誰かは知らないけど、霜月君じゃないならここは騒ぎを起こさず逃げるが良策…と。
そう思い、来た道を引き返そうとした…………その時。
カンッ!
『!!』
迂闊だった。
足元にある空き缶に気づかなかったのだ。
最悪なことに、空き缶は高い音をたてて2人組の方へコロコロと転がっていく。
あーもーあーもーあーーーもーーーーーーー!!!
ただでさえ人助けなんてらしくない事してるのにとんだミスを犯した自分をぶん殴りたい衝動を必死で抑え、そして私は2人組めがけて飛び出した。
とにかく今は騒ぎを起こすのがいちばん困る。
きっといるだろう霜月君の見張りにばれては彼が危ないし警察の応援を呼ばれるかもしれない。
作戦変更、先手必勝、ムキムキマッチョじゃないなら全然勝てる。
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クライヤ(プロフ) - 白井ゆりさん» そう言っていただけると嬉しいです!!これからも続き更新してきますので楽しみにしててください!! (2022年3月23日 6時) (レス) id: 8a85863d1f (このIDを非表示/違反報告)
白井ゆり - かなり続きが気になります‼︎ 続き書くの頑張ってください‼︎ 待ってます‼︎ (2022年3月23日 1時) (レス) @page36 id: fb320e0723 (このIDを非表示/違反報告)
クライヤ(プロフ) - なかねこさん» こちらこそ読んでくださりありがとうございます!!!喜んでいただけているようで嬉しい限りです!!!!これからも更新頑張っていきます!! (2022年3月20日 11時) (レス) @page19 id: 8a85863d1f (このIDを非表示/違反報告)
なかねこ - 続編ありがとうございます!占ツクログインしよっかな...ログインしたら間違いなく一番にお気に入り作者に入れます!!!!いつも面白い作品ありがとうございます!応援してます! (2022年3月19日 18時) (レス) @page11 id: c7c3a69365 (このIDを非表示/違反報告)
クライヤ(プロフ) - 青いGさん» ありがとうございます!!!そう言って頂けると嬉しいです!!いつも読んでくださり感謝の極みです!!!これからも更新頑張ります!!! (2022年3月19日 10時) (レス) id: 8a85863d1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クライヤ | 作成日時:2022年3月19日 4時