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Lxxvii ページ38

『っ!!!!!』






がばっと、起き上がった。









『いっ……………』







その瞬間、肩に痛みが走り、息を飲む。










………………いきを、のむ?







私は、朦朧とした意識の中で、自分の手のひらを掲げてみた。






ぐー、ぱー、と、意思に従って開閉する自分の手の平。




『………………い、きて…る。』

















言葉にした途端、実感が湧いた。







生きている。








生きて、いるのだ。












『…………死んだかと、おもった、のに。』







意識を失う、その瞬間。




本能として悟ったのだ。







意識を失ったこの後、私は、彼女に殺されるんだろうな、と。




…しかし、生きている。








私は、生きている。






『………………。』




「…あ、ツヅミさん!!!」










ぼんやりとした鈍い思考で、ぼんやりと手のひらを眺めていたら、そんな驚いたような声で我に返った。




声がした方に顔を向ける。






そこにあったのは、見知った顔だった。








ユキナリ「目が覚めたんだね。大丈夫?傷、痛まない?」



霜月、ユキナリ。





その時やっと気づいたが、自分は、どうやら見知らぬ部屋のベッドで寝ていたらしい。

狼ゲームの施設の様な異様さは、ない。





どこにでもあるような、マンションの一室。












ユキナリ「…あ、ここは、僕の部屋だよ。

…狼ゲームが終わった後、ミサキさんに頼まれて、君を助けたんだ。」



私の疑問に答えるように、彼がそう行った。





『…………ミサキちゃんに、頼まれて?』





その後、彼の口から、狼ゲームの最後が語られた。


リンタロウ君とミサキちゃんのこと。


狼ゲームの、真の目的のこと。


自分は、リンタロウ君を殺さない決断をしたため、生還したこと。





ミサキちゃんが、死んだこと。






その際に、ミサキちゃんに頼まれて、隠し部屋で倒れていた私と一緒に、施設を出たこと。





その施設は火事になったこと。








ユキナリ「医者に見せたから傷の心配は大丈夫らしいけど、疲れたこともあって、あれから丸2日、君は眠ってたんだよ。

…俺の部屋に連れ込むのもどうかと思ったけれど、でも君の家を知らなかったし、放置する訳にもいかなった。



………何より、狼ゲームのこと、君と話さなきゃと思ってさ。」

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クライヤ(プロフ) - 白井ゆりさん» そう言っていただけると嬉しいです!!これからも続き更新してきますので楽しみにしててください!! (2022年3月23日 6時) (レス) id: 8a85863d1f (このIDを非表示/違反報告)
白井ゆり - かなり続きが気になります‼︎ 続き書くの頑張ってください‼︎ 待ってます‼︎ (2022年3月23日 1時) (レス) @page36 id: fb320e0723 (このIDを非表示/違反報告)
クライヤ(プロフ) - なかねこさん» こちらこそ読んでくださりありがとうございます!!!喜んでいただけているようで嬉しい限りです!!!!これからも更新頑張っていきます!! (2022年3月20日 11時) (レス) @page19 id: 8a85863d1f (このIDを非表示/違反報告)
なかねこ - 続編ありがとうございます!占ツクログインしよっかな...ログインしたら間違いなく一番にお気に入り作者に入れます!!!!いつも面白い作品ありがとうございます!応援してます! (2022年3月19日 18時) (レス) @page11 id: c7c3a69365 (このIDを非表示/違反報告)
クライヤ(プロフ) - 青いGさん» ありがとうございます!!!そう言って頂けると嬉しいです!!いつも読んでくださり感謝の極みです!!!これからも更新頑張ります!!! (2022年3月19日 10時) (レス) id: 8a85863d1f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:クライヤ | 作成日時:2022年3月19日 4時

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