Lxxviii ページ39
『…………話す、ねぇ。』
ユキナリ「うん。狼ゲームの真相とか、これから僕たちがどうすれば___」
『その前に、なんでもいいから服貸してくれない?ずっと血まみれセーターじゃ、気分悪い。』
ユキナリ「えっ…あ、あぁ、うん。」
霜月くんに服を借りる。
私が着替えてる間、霜月君は背中を向けていた。
『…君はさ。』
そんな彼の背中に、私は、言葉を投げる。
『……………君は、これから、どうすんの。』
ユキナリ「…僕は、もう逃げない。
それが、リンタロウとミサキさんが、教えてくれたことだから。」
『……………………それが、狼ゲームの、真の目的ってやつ?』
ユキナリ「うん。そうだよ。」
『………………あっそ。』
私の、その無関心な発言が、きっと気に触ったんだろう。
ばっと振り返った霜月君は、鋭い目付きで私の事を睨む。
ユキナリ「あっそって…君は狼ゲームの真相に気づいてたんだろ?
5年前のあの事件は、僕たちの誰か誰か一人がもっと周りのことを考えていたら、起きなかったかもしれない。
…過去は、変えられないけど。
…でも、僕達は変わらなきゃいけない。同じ悲劇を繰り返さないために、変わらなきゃいけないんだ。
…それなのに君は、狼ゲームの最中のように、人が死ぬことになんとも思わないままなのかよ…!?」
霜月君の語気が、強くなるのを感じた。
あぁ、彼は本当に変わったんだなと、そんな事を考える。
『………わからない。』
ユキナリ「…は?」
そんな、彼の目を見られなくて、ぼんやり自分の手を見つめ俯いた。
『…………ツヅミが死んだ後から、ずっと復讐の事をかんがえてた。
家族が幸せなら、他人がどうなっても構わないって、本気で思ってたし、私は、ミサキちゃんを殺すつもりだった。
…みんな死ねばいいって、思ってたよ。』
ユキナリ「なっ…」
『私はね、霜月君。
君と違って、気を失うその直前まで、人を殺そうとしてたんだよ。
…君らと違って、ずっと君らに復讐したくてたまらなかったんだよ。
…だから、直ぐにえぇそうですかって変わることなんてできないし、納得することもできない。
間違っていても、正しくなくても、それでいいって本気で思ってたから。
』
81人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「無印」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
クライヤ(プロフ) - 白井ゆりさん» そう言っていただけると嬉しいです!!これからも続き更新してきますので楽しみにしててください!! (2022年3月23日 6時) (レス) id: 8a85863d1f (このIDを非表示/違反報告)
白井ゆり - かなり続きが気になります‼︎ 続き書くの頑張ってください‼︎ 待ってます‼︎ (2022年3月23日 1時) (レス) @page36 id: fb320e0723 (このIDを非表示/違反報告)
クライヤ(プロフ) - なかねこさん» こちらこそ読んでくださりありがとうございます!!!喜んでいただけているようで嬉しい限りです!!!!これからも更新頑張っていきます!! (2022年3月20日 11時) (レス) @page19 id: 8a85863d1f (このIDを非表示/違反報告)
なかねこ - 続編ありがとうございます!占ツクログインしよっかな...ログインしたら間違いなく一番にお気に入り作者に入れます!!!!いつも面白い作品ありがとうございます!応援してます! (2022年3月19日 18時) (レス) @page11 id: c7c3a69365 (このIDを非表示/違反報告)
クライヤ(プロフ) - 青いGさん» ありがとうございます!!!そう言って頂けると嬉しいです!!いつも読んでくださり感謝の極みです!!!これからも更新頑張ります!!! (2022年3月19日 10時) (レス) id: 8a85863d1f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:クライヤ | 作成日時:2022年3月19日 4時