羊というよりヤギですね2

Lxvi ページ25

『……正解、大正解だよ、ミサキちゃん。』



ゆっくりと立ち上がった彼女は、ミサキに向けて拍手する。



立ち上がったことに対して身構えるミサキ。そんな彼女に、ぐんと詰め寄る、北星ミナ。






『私とツヅミは、双子で顔は似ていたけど、目の色も髪の色も違ったから、他の人に間違われる事もなかった。

…でも、それを利用して、たまに2人で入れ替わったりしてたんだよ。お互いの瞳のカラーコンタクトを入れて、髪も染めたりしてさ。





…火事が起きた日も、そうやって、入れ替わってた。






だから、だぁれも気づかいないんだよ。本当に死んだのが、誰かさ。




情報が売買された期間、私は＿北星ミナは、部活動の遠征で家にいなかった。


つまり、私は君達を苦しめる原因を作っていない。



だから君らは、復讐相手に該当しない私を殺さずここに連れてきた。


だってこれは、ユウヤという凶悪犯罪者を作り上げ、君の家族をめちゃくちゃにした私達に対する、両親の敵取り…だからね。




どっか間違ってる？森ミサキちゃん。』


ミサキ「…。」





ミサキは、大きく、ため息をついた。





それは、諦めにも、不満にも聞こえた。





間違っていない。





全て、彼女の言うとおりだ。











ミサキ「…じゃあ、」












言うとおり、だから。



















ミサキ「じゃあ、なんで貴方はあんなことをしたの！？


狼でもないのに、米森サトルの殺人に加担して、挙句に彼も裏切って！！


小島タケオの狼裁判の時は、自分の安全が保証されたら何もしないで、


高島マキの時は、狼裁判を楽しんでるみたいだったじゃない！！






例え貴方が復讐の対象じゃなかったとしても、命を弄んでた貴方を許せると思う！？」











だから、こんなにも腹が立つ。


















命を弄ぶ、平気で人殺しに加担する、その姿が。

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