灯火は、まだ【fin.】 ページ3
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星空が広がる下で、亜季と二人で歩く。冬に片足突っ込んだこの季節に、星はよく見えたが眺める気になれずに無言になる。自然と亜季の後ろを歩いてしまう私に、亜季はなにも言ってこなかった。
頭に浮かぶのは謝罪の言葉ばかりだった。今までしてきたことを、全て謝らなければいけないといけない。
「……亜季のこと、大切に思ってる。ほんとだよ」
亜季は黙ったままだった。静寂を消すように、言葉を繋ぐ。
「今まで、ごめん」
亜季は立ち止まって、振り返った。半泣きなその表情に、心苦しくなる。
「……Aが、近界民に殺されそうになったとき、頭真っ白になった」
「うん」
「Aが死にたいって言ったとき、ほんとに悲しかった」
「うん」
「私じゃ力になれないんだって、ずっと一緒にいたのにこれっぽっちも助けてあげられなかった」
「そんなことない」
「そんなことなくない」
被せるように亜季は言って、慌てて視線を逸らす。私は俯いた亜季を見て、ゆっくり話しだす。
「私は、亜季を悲しませたくなかった。でも、結果的に亜季を傷つけた。だから、ごめんなさい」
やっと言えた謝罪の言葉の返事はすぐにはこないことなど分かりきっていたが、亜季が許す許さない関係なく、私の本心を伝えたかった。
「亜季は、私の大切な人だよ。昔から、ずっと、」
その瞬間、亜季は私の両頬を両手で引っ張った。
痛い、そう言う間もなく頬を叩かれそのまま頭突きをされて、鈍い音が耳を支配する。
「いっっった！！」
落雷のように私の声がだけが住宅街に響いた。あまりの一瞬の出来事に感傷が一気に吹き飛んで、額を抑えながらパチパチと瞬きを繰り返す私を見て、亜季は頬を膨らませて手を差し出し始める。
昔から思っていたが、仲直りの仕方がいいのか、これで。
「……て、」
「え？」
「手、繋いで」
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あのね(プロフ) - 返信遅くなりすみません。感想ありがとうございます！無事に完結できてホッとしてます笑 灯火の意味を汲み取ってくださり嬉しい限りです！ (9月21日 3時) (
レス) id: 695de6ced5 (このIDを非表示/違反報告)
黒灰白有無％(プロフ) - 完結おめでとうございます！灯火の意味わかった時ヤバすぎました、内容もとてもいい話で感動しましたし、とても面白かったです！！回顧録では涙が溢れ出るわで超好きなのでまた読みに来たいと思います！コメント失礼しました (7月4日 2時) (レス) @page7 id: 00e0ebd256 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あのね | 作成日時：2023年6月14日 2時
