同じ境遇の理解者 ページ2
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影浦隊の隊室は主に仁礼が原因で散らかっていたが、そんなことを突っ込める状況でもなく奥のソファに氷見を連れて行き、座らせた。
「ひゃみ、Aと知り合いだったんだな」
「……おさななじみ」
「そーなのか！A、全然自分のこと話さないからさあ」
ボソボソと話す氷見をもろともせずに通常運転で話す仁礼は、さりげなくハンカチを渡した。止まる気配のない涙の粒は、頬をつたり水滴を作っている。
「あれ、てか三輪は？」
「お前まじかよ、Aのあと追いかけに行っただろ」
「そうじゃん！Aいまどこにいんの！？」
「三輪に送ってるけど既読つかねー」
出水が三輪へ連絡をしてスマホを操作している横で、米屋は失笑している。氷見はハンカチで涙を拭くと、虚ろに呟いた。
「三輪くんはわかるよ」
「……なんの？」
「Aの気持ち。だから追いかけに行けた。私には、その気概がなかった。亜季に何がわかるのって言われて、私は……」
言葉が止まった氷見の言葉を遮るように、米屋は否定した。
「いや、秀次とAはだいぶ違うと思うけど」
仁礼と出水が米屋を見たのはほぼ同時だった。米屋はその長い足を組んで背もたれに寄りかかると、大きく腕を伸ばしながらなんでもないように言った。
「というかさ、別に、気持ちわかんなくても良いんじゃねえの」
氷見はゆっくりと米屋を見た。
「オレだって秀次の考え全部理解してるわけじゃねえし、Aは確かにそう言ったのかもしれないけどさ。同じ境遇じゃないからって力になれないワケじゃないだろ？」
米屋のソレはさながら独り言のようだった。
「秀次は近界民を死ぬほど恨んでるけど、Aは違うじゃん。近界民も恨んでると思うけど、一番はボーダーっぽいし。親愛なる兄だの姉だの死んだ物同士分かり合えるっていうなら、こんなことになってないって」
捲し立てるように話すと、勢いよく状態を起こした。
「でも、眼。秀次と同じ。あの日助けた時から、眼の奥で密かに灯してる。アイツ、まだ死んでないぜ」
得意げに笑みを浮かべた米屋に、氷見は息を呑んだ。出水のスマホが鳴ったのは、それと同時だった。
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あのね(プロフ) - 返信遅くなりすみません。感想ありがとうございます！無事に完結できてホッとしてます笑 灯火の意味を汲み取ってくださり嬉しい限りです！ (9月21日 3時) (
レス) id: 695de6ced5 (このIDを非表示/違反報告)
黒灰白有無％(プロフ) - 完結おめでとうございます！灯火の意味わかった時ヤバすぎました、内容もとてもいい話で感動しましたし、とても面白かったです！！回顧録では涙が溢れ出るわで超好きなのでまた読みに来たいと思います！コメント失礼しました (7月4日 2時) (レス) @page7 id: 00e0ebd256 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あのね | 作成日時：2023年6月14日 2時
