【アーレス】Don't look back!【小説版】 (ページ25)

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25話【桜庭琉叶】ページ25

カリカリカリカリ…………何かが壁を引っ掻く音、
ひっくり返ったポリバケツと散乱した生ゴミのようなもの。目に映る風景に思わず溜息をついた。
前までは賑わっていたはずの建物は俺が小さな頃から知っている場所だったのに。今は見る影もなく、草臥れた廃墟のようになっていた。魔物の影響か、それとも……。
少なくともいいものを見た訳では無い、と見てないふりをして歩き出す。

アーレスのシェアハウスへと続く道を歩く。
嫌なものを見てしまったせいか、体が重い。しかも久しぶりの朝帰りだ。早く帰ってシャワーでも浴びよう。あー、でも人多いか。帰るのやめようか、と足を止めた。
帰りずらい。誰とも顔を合わせたくない気分だ。
と、下を向いた。
後悔するとも知らずに

「う、あ……な、なんだよこれ」

目の前に広がる真っ赤な何か
よく見るとそれは花弁で隙間から覗く2つの目が俺の事をじっと見つめていた
見覚えのある"アタタカイシセン"

きもちわるいきもちわるいなんだあれなんでやさしくするんだなんでそんなしせんをおれにむけるんだほんとうはきょうみもないくせになんでどうじょうなのかあいじょうなんてもうとっくにもらえないってわかってるなんでなんで

"……ねえ、琉叶。今回のテストもいい点数ね。よく頑張ったわね"

幻聴、だろうか。
頭に響いたその声に慌てて耳を塞ぐ。
嫌だ、あの人の声は聞きたくない。

地面の目はずっと俺の事を見つめてくる。
そして、花の隙間に口が出てきたと思うと、

何かを言った。

その言葉を聞いてから俺は人目も気にせず走り出した。

.

バタバタと慌ただしく扉を開く。
大きな音を立てて扉を閉めて、そのままズルズルと扉に凭れかかると足の力が抜けて座り込んでしまう。
……なにしてんだろう。俺。
ただ、嫌なものを見た気がした。花に飲み込まれてしまう恐怖、あの目に見覚えのある不快感、そして何より……散らばる花が、薔薇が怖かった。
あんなの俺への当て付けじゃないか、巫山戯るな。
思考に浸っている時だった。

「あの時、私の能力が暴走しなければ！私がアーレスに入らなければ！」

大きな声に戸惑う。
……言い合いか、今のは嘘偽りもなさそうだ。本当に、そう、思ってる？
何か、昨日あったのかと思い立ち上がった。

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時間軸が正直あまり掴めなかったのでよくわからん行動取りました。魔物地面に埋まっていると考えると笑えてきますね。あとはよろしくお願いします。