ニヒャクニ話 第三者視点 ページ7
拠点内は暗かった。
いや、照明を点けていないため暗くて当然だろう。
他の拠点に入るのは初めてなのか、はたまたただ他所の家に好奇心が
不思議な置物が気になり、慎二はそっとそれに手に取った。
さして変化もないそれだが、魔力があるものならば聞こえるはずだろう。
永遠と侵入者だ侵入者だとまぬけな声色の警告音を。
「気味の悪い置物だな」
元の位置に戻した慎二は土足のまま廊下を歩き始めた。
直ぐにリビングに入った慎二はまた物珍し気に周囲を見て、それから鼻で笑ってからギルガメッシュがいる場所を探し始める。
洗面所、浴室、トイレ、書斎、客室と見て回るがいない。
いや、洗面所や浴室やトイレにいないのは当たり前だろう。
最後に寝室に踏み入れば、ギルガメッシュの背が。
「?」
寝室に入って気付く。
不思議な香りがこの部屋に満たされていることを。
鼻の付くような臭いではない。
どちらかといえばリラックスできるような香りなのだが、この香りの名称がどの分類になるのかは慎二には知識がなかった。
しかし、気にする必要性はどこにもないため彼は直ぐにギルガメッシュの隣に立つと、彼が見ているであろうものを見て興味無さげに隣のサーヴァントに問う。
「で、この女どうするつもりなんだ」
サーヴァントの視線の先にいるのは寝具の上で寝息を立てて深く眠る女性が一人。
これだけ接近したというのに起きる様子がないのは外部的要因があるのか。
加えて慎二には聴こえていないが、魔力があるものであればずっと聞こえてくる警告音で起きないのもおかしな話。
「……そうさな、とりあえずこれを持ってこい慎二」
「は? なんで僕がそんなこっ、わかったから睨むなよ!」
薄暗い室内で見るその赤い眼光に怖気付いた慎二は軽く悪態を心の中で吐きつつ、その女性を起き上がらせて背負った。
意識のない人間というのは通常よりもかなり重くなる。
「重ッ」
女性に対してその発言は失礼に値するのだが、彼女は意識がないためにカウントには入らないだろう。
バランスを取るために一度背負い直し、不機嫌そうな目でギルガメッシュを見れば撤収だと言う。
耳元ですぅすぅと一定間隔で寝息を立てる女性を尻目で睨みつつも、特に何をすることもなく先行くギルガメッシュの後を慎二は追った。
彼等が去った後に残ったものは施錠がされたドアと警告音を鳴らす礼装、あとは壊れた結界魔術基盤である小石のみだった。
ラッキーアイテム
鳳凰の羽根
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキー方角
西 - この方角に福があるはずです
ラッキーサーヴァントクラス
シールダー
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翔べないペンギン(プロフ) - 亜流乃さん» コメントありがとうございます。そうなのです。ようやくお互いある種の再開ができましたので。どうにか完結できるように尽力しますのでお付き合いいただけますと幸いです。ジャンヌになるのも気に入っていただけて嬉しいです(照) (2021年3月26日 19時) (レス) id: 3d75302081 (このIDを非表示/違反報告)
亜流乃(プロフ) - やっとランサーと!!!!!!!!!こういうチュエーション待って ました!ここまで書いて下さりありがとうございます!これからも応援してます!あと、ジャンヌになる展開も好きです(笑) (2021年3月25日 21時) (レス) id: bff6baca0f (このIDを非表示/違反報告)
翔べないペンギン(プロフ) - ありなさん» お待たせしてしまい申し訳ありません。先行きも少々不安ですが持続できるように努めます。コメントありがとうございます。 (2021年3月19日 18時) (レス) id: 3d75302081 (このIDを非表示/違反報告)
ありな - 続編おめでとうございます!凄く嬉しいです! (2021年3月18日 19時) (レス) id: 0b757b95a3 (このIDを非表示/違反報告)
翔べないペンギン(プロフ) - ロゼファさん» お待たせいたしまして申し訳ありません。持続できるように頑張りますね。コメントありがとうございます。 (2021年3月13日 16時) (レス) id: 3d75302081 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:翔べないペンギン | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Information/
作成日時:2021年3月12日 1時