ニヒャクサンジュウナナ話 ページ42
「アサシン。今、赤いアーチャーが……」
「あぁ、俺も見た。あいつ、マスターに"奴がいる、気を付けろ"って言ってやがった」
後ろを振り返るけど見えるのは遠くなるエントランスのみ。
ただ戦闘しているような音は聞こえている。
赤いアーチャーがいったいどういう理由で私にその言葉を言ったのか。
奴とは誰だろうか。
ランサーの、ことだろうか。
ランサーだとすれば私はまた判断を下さないといけないのだろうか。
「……」
今はリンちゃんの救助を優先しなければならない。
先を走る第五次のランサーを見れば、彼も私を見ていた。
「とりあえず、昨日話した通り二手に分かれてお嬢ちゃんを探す。見付けた時の合図は、そうだな」
第五次のランサーはアサシンに平行するように走る速度を落として、右手の人差し指で宙に何かを綴る。
それは私の左手の甲まで漂うと、ぺたりと貼り付いて肌と馴染むように消えた。
「オレがお嬢ちゃんを見付けたらそのルーンが光って、オレがいる位置にへと案内する。逆にアンタ等がお嬢ちゃんを見付けたら、そのルーンがオレにアンタ等の位置を教えてくる。これでどうだ?」
「いいと思います」
「んじゃあオレはそこの別れ道で右側を探す。アンタ等は左側からな」
頷く。
先を見れば確かに突き当たりがあり、左右に廊下が広がっているであろうことが予想される。
どちらかがリンちゃんを見つけることができればいいのだけど。
そう考えていれば一瞬だけ視界がぶれた。
「マスター?」
「んじゃあな、お二人さん」
「っ待って!」
思わず第五次のランサーを引き留めた。
「まだ何かあるのか、お姉ちゃん」
律儀にも立ち止まってくれたアサシンと第五次のランサーは私を見てくる。
今の一瞬に酷い光景を見た気がする。
第五次のランサーのその赤い槍で、自身の胸を貫いているというものを。
「れいじゅ、令呪に、気を付けてください」
十年前に起こるはずだった悪夢の内容とダブって、声が震える。
訝しげに私を見てくる第五次のランサーだったけど、了解と一言吐いてから目の前から消えた。
彼がいたであろう場所を見て、無意識に左手の甲を見てしまう。
そこにはただの肌だけで、ランサーの令呪はない。
「マスター、どうした」
「……なんでもありません。私達も行きましょう」
尻目で私を見てくるアサシンにそう言えば、少しだけ目を細められたけど了承の言葉を吐いて左の角を曲がってくれた。
ラッキーアイテム
鳳凰の羽根
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキー方角
西 - この方角に福があるはずです
ラッキーサーヴァントクラス
シールダー
186人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
翔べないペンギン(プロフ) - 亜流乃さん» コメントありがとうございます。そうなのです。ようやくお互いある種の再開ができましたので。どうにか完結できるように尽力しますのでお付き合いいただけますと幸いです。ジャンヌになるのも気に入っていただけて嬉しいです(照) (2021年3月26日 19時) (レス) id: 3d75302081 (このIDを非表示/違反報告)
亜流乃(プロフ) - やっとランサーと!!!!!!!!!こういうチュエーション待って ました!ここまで書いて下さりありがとうございます!これからも応援してます!あと、ジャンヌになる展開も好きです(笑) (2021年3月25日 21時) (レス) id: bff6baca0f (このIDを非表示/違反報告)
翔べないペンギン(プロフ) - ありなさん» お待たせしてしまい申し訳ありません。先行きも少々不安ですが持続できるように努めます。コメントありがとうございます。 (2021年3月19日 18時) (レス) id: 3d75302081 (このIDを非表示/違反報告)
ありな - 続編おめでとうございます!凄く嬉しいです! (2021年3月18日 19時) (レス) id: 0b757b95a3 (このIDを非表示/違反報告)
翔べないペンギン(プロフ) - ロゼファさん» お待たせいたしまして申し訳ありません。持続できるように頑張りますね。コメントありがとうございます。 (2021年3月13日 16時) (レス) id: 3d75302081 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:翔べないペンギン | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Information/
作成日時:2021年3月12日 1時