ニヒャクサンジュウロク話 ページ41
文明の利器である自動車を使って、郊外にあるアインツベルンの城の付近まで向かう。
運転手にはチップを含めた分だけ払い、下車。
帰っていくタクシーを見送ってから森へと入った。
道とは呼べない道を進む二人。
セイバーもシロウ君も険しい登り坂や倒れてしまっている大木がある時は紳士的に補助をしてくれて。
お礼を言って進むこと数十分。
十年振りになる、あの城に到着した。
左腕が地味に痛むような気がするのは、ここで私は一度左腕が動かなくなったことがあるからか。
無意識に右手で左手の甲を撫でていれば、セイバーが気遣わしげに私に尋ねてくるので大丈夫だと伝える。
「ですがA、貴女はここで」
「もう大丈夫ですよセイバー。さぁ行きましょう」
にこりと笑んで、先を促せばセイバーは何も言ってこなかった。
鍵も何も掛かっていないドアから入れば、誰かが背を向けて立っている。
「待っていた」
赤いアーチャーである。
瞬時に霊体化を解いたアサシンと第五次のランサー、甲冑にへと一瞬で着替えたセイバーがシロウ君と私の前に躍り出て構えた。
「衛宮士郎、貴様はここで死んでもらう」
振り返った赤いアーチャーが見据えるのは、私の隣に立つシロウ君。
「どうしてシロウ君に固執するのですか、赤いアーチャー」
「君には関係ないことだ、アサシンのマスター」
一瞬私の方に視線が向いたけど、直ぐに外れた。
殺気立つ赤いアーチャーは変わらずシロウ君を睨みつけているまま。
「Aさん、貴女は遠坂を探してください。俺がこいつの相手をします」
「っ士郎、それは」
「頼むセイバー、喧嘩を売られたのは俺だ。ならば俺が相手をすべき。それに、あいつにだけは負けたくない」
自分に、負けたくない。
シロウ君はそう言った。
何を思って赤いアーチャーを自分だと言ったのかはわからない。
けどこれは、私が踏み込んでいいものではないことははっきりとわかった。
「……わかりました。アサシン、第五次のランサー、行きましょう」
「わかった」
「気に食わないが、今回は坊主に譲ってやるよ」
了承してくれる二人と共に、アサシンに背負ってもらってエントランスホールから城内へと入る。
赤いアーチャーが攻撃してくるかと思ったけど、彼は私達を一瞥して。
「?」
口元が動いていた。
生憎読唇術は身に付けていないからわからないけど、何か言っていた。
ラッキーアイテム
鳳凰の羽根
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキー方角
西 - この方角に福があるはずです
ラッキーサーヴァントクラス
シールダー
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翔べないペンギン(プロフ) - 亜流乃さん» コメントありがとうございます。そうなのです。ようやくお互いある種の再開ができましたので。どうにか完結できるように尽力しますのでお付き合いいただけますと幸いです。ジャンヌになるのも気に入っていただけて嬉しいです(照) (2021年3月26日 19時) (レス) id: 3d75302081 (このIDを非表示/違反報告)
亜流乃(プロフ) - やっとランサーと!!!!!!!!!こういうチュエーション待って ました!ここまで書いて下さりありがとうございます!これからも応援してます!あと、ジャンヌになる展開も好きです(笑) (2021年3月25日 21時) (レス) id: bff6baca0f (このIDを非表示/違反報告)
翔べないペンギン(プロフ) - ありなさん» お待たせしてしまい申し訳ありません。先行きも少々不安ですが持続できるように努めます。コメントありがとうございます。 (2021年3月19日 18時) (レス) id: 3d75302081 (このIDを非表示/違反報告)
ありな - 続編おめでとうございます!凄く嬉しいです! (2021年3月18日 19時) (レス) id: 0b757b95a3 (このIDを非表示/違反報告)
翔べないペンギン(プロフ) - ロゼファさん» お待たせいたしまして申し訳ありません。持続できるように頑張りますね。コメントありがとうございます。 (2021年3月13日 16時) (レス) id: 3d75302081 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:翔べないペンギン | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Information/
作成日時:2021年3月12日 1時