橄欖の側にて咲く青薔薇の密かな望み。そのゴ

ニヒャクジュウ話　※微官能表現注意 ページ15

十年前ーー。

私は第四次聖杯戦争に参加する兄のため、ソラウさんのため、ランサーのため。

三人を救うため。

時計塔の図書館にある聖杯戦争のことを記載している書物を沢山読んだ。

それこそ見開き一ページだけでも、数千近くページがある辞書のような本でたった三行の記述だけでも。

聖杯戦争に関連するものであれば全て読んだ。

膨大な本の数々の中でこういう記載があったことを覚えている。

“魔力供給にはお互いの粘膜接触によるものもある”と。

当時の私はは粘膜接触って何？ という無知丸出しであったけど。

今であればそれがどういったものかはよく知っている。

しかし。

貴族である手前、それ以前に私は未婚でいるため、そのような行為は婚約が正式に決まった相手としかできない。

ゆえに別の粘膜接触をすることによって魔力供給を用(もち)いるしかなかった。

「っ」

口付けによる、口内での粘膜接触。

体液には魔力を込めることができる。

それは私のような落ちこぼれ気味の魔術師でも簡単にできる方法。

ランサーとの魔力供給(パス)は当たり前だけど既に切れており、マスターとサーヴァントとしての関係ではないため通常の魔力供給(パス)からの魔力供給はできない。

肌に触れるだけでも多少は魔力供給ができるようだけど、それだけでランサーの枯渇している魔力を補充できるほど私は魔術師として優秀ではなく。

消去法として、体液に魔力を込めてでの魔力供給しか今の私には持ち合わせていなかった。

必死にランサーに魔力を送るため、口内にて分泌される体液に魔力を込めてランサーへ与える。

耳に飲み込むような音が聞こえてきて、とても恥ずかしくておかしくなりそう。

でも、止めるという選択肢はないために羞恥心を我慢するしかなかった。

長い長い間隔を開けて、ランサーが飲み込む音が聞こえる度に私は頭がくらくらとしてきた。

脳や肺に酸素が足りていないのか。

はたまた目の前の恥ずかしい現実から逃げ出したいのか。

それとも、純粋に私の魔力が減ってきているのか。

きっと私の魔力が不足しているのだろう。

治癒魔術にはかなりの魔力を消費するうえ、成功確率が半分とはいえ失敗を何度がした。

それでも。

零れ出る吐息も、触れている部分も。

まるで火傷をしたかのように酷く熱くて。

このままでは溶けてしまいそうだと、そう思った。

ニヒャクジュウイチ話　※微官能表現注意→←ニヒャクキュウ話

ラッキーアイテム

鳳凰の羽根

ラッキーカラー

あずきいろ

ラッキー方角

西 - この方角に福があるはずです

ラッキーサーヴァントクラス

シールダー

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す