ヒャクサンジュウニ話 ページ36
じっと私を見下ろすアサシンに、頷く。
アサシンのお陰で少しばかり思考が冷静になれた。
アサシンの召喚は別問題として、アーチャークラスが二人もいることは非常におかしい。
通常聖杯戦争は七騎のサーヴァントが召喚される。
稀に
「一度、キレイ・コトミネに問い、あわせ、ま……しょ……」
「? マスター?」
これは。
「(魔力切れ、です)」
「確かにマスターからの魔力供給が途絶えたな」
念話でそう言えば、だろうなと一言言われた。
目蓋が重くならないのはもしかしたらエナジードリンクとこの場所のお陰だろう。
「とりあえず明日に支障がくるから、キャスターに魔力回復の薬か何かもらおうか」
「(そうですね、あちらで何があったのかも気になりますし)」
「んじゃあ失礼して」
「!」
視界が変わる。
アサシンの顔が直上にあり、彼の背後に所々雲が見える夜空が。
羞恥心で叫びたいけど声も身体も動かなく、かろうじて動く視線でアサシンに訴えかけるけど地面に落ちている鞄を持ったアサシンが笑顔で行くぞというだけで階段を登り始めた。
念話で背負ってと訴えているのにも関わらず無視。
羞恥心に耐えつつ、極力振動が来ないように歩いているアサシンの気遣いに、そうならば背負ってくれと思いながらも少し耐えた。
柳洞寺の門を潜ると、アサシンがキャスターを呼ぶ。
程なくして、口を歪ませて明らかに怒っているキャスターがゆっくりと姿を現した。
「そんな何度も呼ばなくても聞こえているわ」
「キャスター、マスターが魔力切れだ。回復できるか?」
「そんなの貴方が魔力供給でもして回復して差し上げたらいい話よ。それよりも! 門番としての役割を担っておきながら、一匹通すだなんてどういう了見?」
「一騎通したのは謝る。が、流石に二対一は
「男なら耐え切るぐらいに度量は見せなさい」
頭上で飛び交う会話に萎縮しつつ、キャスターを見上げたらいつもはフードの下で見えない綺麗な瞳と目が合い、顔を
「……今回だけよ」
そう言って、キャスターは私のお腹の上に小瓶を一つ置いて消えてしまった。
ラッキーアイテム
鳳凰の羽根
ラッキーナンバー
8
ラッキー方角
西 - この方角に福があるはずです
ラッキーサーヴァントクラス
シールダー
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翔べないペンギン(プロフ) - らんらんさん» コメントありがとうございます! お褒めに預かり、応援いただき、目から汗が出るほど嬉しいです。どうぞ続編の方もよろしくお願いいたしますm(_ _)m (2020年9月25日 21時) (レス) id: 968bf19702 (このIDを非表示/違反報告)
らんらん(プロフ) - とっても面白いです!いつも楽しみながら読んでいます!続編も頑張ってください! (2020年9月24日 22時) (レス) id: 9ff20dca42 (このIDを非表示/違反報告)
翔べないペンギン(プロフ) - 甘い缶詰さん» 一気に拝読いただきありがとうございます! そう言っていただけて非常に嬉しいです。これからも楽しんで拝読いただけるように尽力いたしますので、どうぞよろしくお願いいたしますm(_ _)m (2020年9月6日 19時) (レス) id: 968bf19702 (このIDを非表示/違反報告)
甘い缶詰(プロフ) - 初めまして!前作から一気読みしました。正直言って面白すぎて、最高です(語彙力皆無)。更新頑張ってください! (2020年9月6日 14時) (レス) id: b8e62b7458 (このIDを非表示/違反報告)
翔べないペンギン(プロフ) - ゼラチンさん» コメントありがとうございます。御拝読いただき感謝しかありません。お気遣いもいただき、目から汗が吹き出ております。ゼラチンさんもお体にはお気をつけ下さいませ。 (2020年8月30日 9時) (レス) id: 968bf19702 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:翔べないペンギン | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Information/
作成日時:2020年8月7日 20時