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ゴジュウキュウ話 ページ12

「はははははは!!」
「……」

この大爆笑をしている虎柄の羽織のようなものを着た強面の御老人は、タイガの祖父であるミスターライガ・フジムラである。

笑ったタイガに連れられて再び屋敷内に入り、通されたお部屋で私は一人正座をしながら縮こまるしかなかった。

穴があったら入りたい。

「いやホント、A面白すぎ」
「す、すみませんでした。だからもう笑わないで下さい……」

顔から火が出そうなほど顔が赤くなっているだろうけど、タイガに言えば謝ってくれた。

流石にこの強面の御老人に言える度胸は私にはない。

「ほらおじいちゃん、Aが困っているから笑わないであげ……ふふっ」

じと目でタイガを見ればようやくまともに説得してくれた、ちょっと笑っていたけど気にしない。

けらけらと笑うアサシンに、いるであろう方向を睨んだら謝られた。

ーー悪かったってマスター。謝るから許して。っ。
「(……笑ったから一時間は許しません)」

全員に笑われて、思わず不貞腐れた態度が外に出てしまえば漸く強面の御老人も笑うのもやめてくれた。

それでも楽しげな表情だったけど。

「すまなかったねお嬢さん、久し振りに大爆笑をさせてもらった」
「……はい」
「それで大河、わしの元にこのお嬢さんを連れてきてどうした。友人の紹介か?」
「いやねおじいちゃん」

そう言って、タイガは私の事情を話し出した。

十年前に友達になったこと。

久し振りに日本に来たが滞在のための書類を持ち合わせていなかったこと。

路頭に迷いかけていること。

「だからせめて家を借りれるように助けてあげてほしいなって」
「わかった」
「え……」

そんな二つ返事でいいのか御老人。

いくら孫娘の頼み事とはいえ赤の他人の私にそこまでしてあげる必要性はないはず。

目を剥いている私に御老人はからからと笑う。

「驚いているなお嬢さん。なあに、可愛い孫娘の頼みを聞いてやっているだけだ」
「ですが」
「それに、老いぼれと言えども組を纏める人間だ。人を見る目ぐらいはある」

うんうんと頷くタイガと、笑っている御老人に、頭を下げた。

これが日本でのお願いの仕方だと、前に少しだけ日本のことを調べた時に書いてあったから。

「よろしくお願いします」
「わかった」

深々と頭を下げてから顔を上げて、それからタイガに尋ねた。

「タイガ」
「どうかしたA。家のことは直ぐできると思うけど」
「足を崩してもいいですか?」
「……」

再度笑われてしまった。

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翔べないペンギン(プロフ) - 匿名さん» コメントありがとうございます。今作も拝読いただき本当にありがとうございます。そう言っていただげますと作者冥利に尽きます。非常に嬉しいです! (2020年5月27日 8時) (レス) id: 968bf19702 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - 前作からずっと読ませて頂いております!ほんとにこの作品大好きです!!! (2020年5月27日 2時) (レス) id: c774d7b811 (このIDを非表示/違反報告)
翔べないペンギン(プロフ) - あおっしーさん» お返事遅くなり申し訳ありません。拝読いただきありがとうございます。応援凄く嬉しいです、ありがとうございます。 (2020年5月8日 19時) (レス) id: 968bf19702 (このIDを非表示/違反報告)
あおっしー - 追いつきましたー!個人的には鵺世と夢主ちゃんがくっついてほしいです!更新頑張ってください!待ってます! (2020年5月5日 21時) (レス) id: c4783174d3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:翔べないペンギン | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Information/  
作成日時:2020年2月27日 0時

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