arc_en_ciel Ⅲ【虹】 (ページ5)

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「はい！カット！」

なんて声が掛かった瞬間、崩れ落ちる身体を間一髪の所で支える。

「うぉ、大丈夫か？」

「……へへ、」

具合の悪さとは裏腹にへらへらと笑い続けるしげちゃん。

「ちょっと、なんで笑ってんねん、もう怖いねんけどぉ、」

「……ふふっ、」

なんて軽口を叩けば、背中で本当に小さな声でありがと、なんて声が聞こえてきた。

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「………はまちゃ、」

楽屋にしげちゃんをおぶるようにして戻って、しげちゃんをソファに寝かせて離れようとすれば、しげちゃんに呼び止められた。

「ん？どした？」

しげちゃんに寄り添うようにしてソファのすぐ側にしゃがみ込めば、しげちゃんは不安げに瞳を揺らした。

「…ぉれ、出来てた？……今日、あんまり上手く行かなくって、」

今日は、貧血で、熱もあったしげちゃん。

そんな身体では充分すぎるくらいしっかり出来てたで？

言葉にしても、きっと頑固なしげちゃんには伝わらんと思ったから、ぽん、としげちゃんの頭に手を置いた。

「…っ、はまちゃ、」

「…しげちゃん、今日もお疲れ様、」

Fin.