23.全壊 ページ26
Noside
───その日の神崎家は荒れていた。
「Aーー!!いやぁぁぁあぁぁあ!!!」
泣き叫ぶその女性の周辺では、食器や家具などの、家中のものが何から何まで空中浮遊していた。
「何で…何で、何で……っ!!何でAが犠牲にならなきゃいけないの…っ!!?」
「お母さんもうやめて!!やめてよぉっ…! 」
小さな少女が、アリスを使って女性が浮かせているものを床に落としている。
でも力の差は目に見える程あり、少女がせっかく下に落としたものを女性は再び浮かしてしまう。
──そう。
────女性のアリスが暴走しているのだ。
ついにはミシミシと音を立てて家が揺れ始め、部屋全体を氷が覆っていき、かと思えば炎が燃え上がる。
「いやぁぁぁぁぁあぁぁ!!!!」
「お母さんっっ!聞いて…!!お姉、ちゃんは…っ!私達を守るため、に…!!
ぜ、絶対…っ!連れて行かれたんじゃ、ない…っ!!
お姉ちゃん、は…!そんなに、弱くない…!!」
「お母さん、もうやめてよぉ…」
アリスを使いながら叫ぶ小さな少女と、同じくアリスで炎を消しながら弱々しく言う小さな少年。
その努力も虚しく、その建物──つまり家は、女性のアリスによって全壊した。
*
親子三人は、変わり果てた家の前に立ち尽くしていた。
母「…ごめんなさい、冬華、陸…」
やっと落ち着いたようである女性が小さく呟いた。
その瞳からは涙がこぼれ落ち、大切そうに握りしめている手紙に染みを作る。
冬華「…お姉ちゃんは絶対、自分で決めたんだよ。手紙の内容からも、分かるでしょ?」
その手紙の内容とは────
『ごめんね、ありがとう。
三人とも大好きだよ。』
たったの2行───
すると、女性は何かを決意したように少し目線を上げてから、幼い子供二人に視線を向けた。
母「───冬華、陸。…落ち着いて聞いてくれる…?」
────女性の瞳は真剣そのもの。
少年と少女は息を呑んだ。
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眠り姫@マブダチ組食害組推し!(プロフ) - イラスト可愛ええ…(*´∀`)♪私より上手いわぁ…←当たり前でしょ!すいませんこの人絵がド下手なんです…←酷くない?(´;ω;`)←本当の事だから仕方ない。←ぴえん(´・ω・`) (2021年1月22日 14時) (レス) id: 2efd58ef81 (このIDを非表示/違反報告)
有猫ちゃん(プロフ) - 聖菜さん» ありがとうございます〜!!もう少し載せる予定ですので、お楽しみに(^ ^) (2017年4月30日 14時) (レス) id: a6ac765f14 (このIDを非表示/違反報告)
聖菜 - 夢主ちゃんの絵がすごく可愛い (2017年4月25日 12時) (レス) id: 5c0208b4a6 (このIDを非表示/違反報告)
有猫ちゃん(プロフ) - 感想ありがとうございます!嬉しいです!あ、そうなんですか、ですよね、マナー違反ですね。もうちょっと、探してみます。見つけたら言いますね~♪ (2016年3月19日 11時) (レス) id: 6ba5775173 (このIDを非表示/違反報告)
色葉 - 最新の話、見ました!面白いです!(P.S、夢小説を読むに当たってこういった公の場でサイトの名前を言うのはマナーの違反とされますので言えません。詳しくは夢小説のマナーを読んでみて下さい。ごめんなさい。) (2016年3月18日 19時) (レス) id: d92d8353a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:有猫ちゃん | 作成日時:2016年2月14日 22時