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Prologue 〜誠が夢で、夢が誠であったなら〜 ページ2

夢ならよかった。誠が夢で、夢が誠であったら。

だが、現実はそう甘くはない。

母「そんなんじゃ、将来どうするの!?」
だとか、
母「こんなこともできないようじゃ、仕事なんてやっていけないよ!?」
だとか。

どこまでも、どこまでも苦しさが付いて回る。

誰も僕を見てくれない。

愛ある故とはいいますが、愛は相手が愛と感じてこそでしょう?

僕はあれが愛とは思わない。

愛の反対は憎しみではない。無関心だ

とかの有名なマザー・テレサは言った。

じゃあ、苦しさが愛ならば、楽なのは親が無関心なのか。

それは違うと言われるだろうな。

では、何を愛と言うのだろうか。

ことあるごとにネチネチと嫌味を言うのが愛なのか?

あったかもしれない未来を奪うのが?

心を病ませて、感情を奪うのが?

まだそこまで生きていない者たちに感情を繕わせるのが?

でも、どれだけの事を思っても言えるわけない。

こんな事を思うのはおかしいのだ。

子は親に言われた通り生きていけばいい。

だから今日も感情を抑えて、生きていく。
母「楓音!アンタは何か言われなきゃ出来ないの!?」
だって、アンタが言わなきゃ何作るかも、ご飯がいるのかもわからねェじゃん。
フウネ「・・・・・・・・・・・・」
母「そんなんじゃ、後々困るよ!?」
フウネ「・・・・・・・・・・・・」
母「はぁ。もういいから早くご飯炊いて」
フウネ「うん・・・わかった」
なら始めっからそう言えや。
僕はそんな事を思いながら米を研ぎ、研いだ米を鍋に入れ、コンロにぶち込む。
まあ、こんなのが日常だからか、もう慣れたがな。
コンロのご飯専用鍋の水が沸騰したら、弱火にして6分火にかける。
6分たったら鍋ぼうしの中にぶち込む。
数十分が経ち、皆帰ってきたのでご飯を食べ、風呂に入り、歯磨きをして寝た。





――――――
次の日
朝にも慣れた嫌味を言われ、専門までの通学路を歩く。
いつも思うんだ、このまま生きてたら壊れるって。
だからさ、嫌になって死んでも文句ないよね?
あ、子が親より先に死ぬなって?
嫌だなぁ、そんなのただのエゴじゃん。
僕はトボトボと歩きながら空を見上げる。
僕も捻くれてる自覚はある。
でも、そうでなきゃ自分が壊れる。
そう思いながら青になった誰もいない横断歩道を渡る。
ブゥオ――ン!!・・・・・・ドンッ!
信号無視したトラックに跳ねられながら。
フウネ「来世は苦しくない人生が欲しい」
僕は赤く染まる視界を最後に目の前が真っ黒になった。

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作者名:アクネット | 作成日時:2023年9月25日 10時

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