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21 白雪姫 ページ21

真っ赤なリンゴは丁寧に剥かれ、とても美味しそうだ。
パクリ、と食べた。とても甘く、さっぱりとした味わいは大好きなものだった。

だが、リンゴを飲み込むと頭がくらくらとして世界が回り出す。

『あ、…あれ…、?』

「白雪姫?どうかしたの?」

心配そうな顔で、ふらついた白雪姫を見つめる王妃。
だんだんと目の前が暗くなっていく。
目に映る王妃の顔が、だんだんと意地悪く歪んでいくのが見えた。

「ふ、ふはははは!あなたはここで死ぬのよ、白雪姫!」

『ど、どう…して…っ?』

ウィスタル城での言葉、さっきの言葉、すべて嘘だったのか。
王妃はやっと目的は果たした!と喜んだ。
白雪姫はそのまま倒れ、息絶える。

とても甘美なリンゴは、王妃が魔法の鏡から作り出した毒リンゴだった。


動かない白雪姫を見て、王妃は笑うのをやめ、大粒の涙をこぼした。
衛兵を呼び、王様を呼ぶ。
白雪姫は病に侵され、死んでしまったと嘘をついた。

「Aが病に…!?」

「えぇ、亡くなった前王妃様と同じ病でしたの…!それが急に悪化して、今…」

うぅぅ、と悲しい顔を作って泣く王妃。
それを聞いた王様は、せっかく再開できた愛娘の変わり果てた姿に、悲しみに暮れた。


それからすぐに、白雪姫が死んだという知らせが飛ぶ。
ウィスタル城にもその知らせはすぐに届いた。

「Aが、死んだ…!?」

「どういうこと!?」

届いた知らせの手紙には、病の悪化で急死したと書かれている。
だが、ウィスタル城で過ごしているAは明るく元気で、病がある様子はかけらも無い。
こんな数日で病にかかり、死ぬことがあるだろうか?
ゼン達はすぐに白雪姫の元へと向うことを決める。

「…けど、ゼン。この手紙に城の場所が書かれてない」

「なにっ!?」

手紙を見た木々が言う。場所がわからなければ行くこともできない。
どうするか、と思ったときオビが言った。

「主、あの鈴があります」

「そうか…!」

Aにプレゼントした胡桃石の鈴がついたブレスレット。
あれがあれば、場所はわかるだろう。
すぐに支度を終え、白雪姫の元へと急いだ。



それから、白雪姫のいる城へと到着する。
すぐに王に会いに行き、白雪姫に会いたいと告げた。

「遠いところよく来てくれた…。娘も喜ぶだろう」

泣き果てたのか、王の目元は赤く、やつれた様子だ。
王は、白雪姫の元へと案内するよう、兵に命じた。

「このお客人は娘の大事な友人だ。すぐに案内を」

「はっ!」

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設定タグ:赤髪の白雪姫 , オビ , 夢小説   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:Lily | 作成日時:2018年2月16日 1時

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