検索窓
今日:17 hit、昨日:2 hit、合計:41,457 hit

伍拾捌 回転するからくり屋敷 ページ10

私は、先ほどまでの出来事を聞かれたので、簡潔に説明した


私自身、半信半疑のような出来事であったが、二人とも納得はしてくれたみたいだった



さっきの白い結晶が、なんなのかは分からなかったが、あの女性の生命の源のようなものだろうか


私が自ら作った、手のひらの傷を、あの結晶に触れることで消えていた


心なしか、身体も軽くなっている



恐らく、傷を癒す力があるのだろう




「善逸…、正一くん、ありがとうね」


私は、そう言って二人に笑ってみせた



「「………!!」」


私の言葉に何か返すこともなく、ただただ二人はだまり続けて、心なしか善逸は顔が赤くなって居るのが分かって


「え、なんで赤くなってんの…、なんで何も言わないのさ、なんか言ってよ」



私まで恥ずかしくなるじゃない…



そんなことを思っていた矢先…






_ポンッ ポンッ


再び鼓が鳴る音が聞こえて、その音と同時に部屋が変わって、そのまま回転した




「え、何どうなってんの!?」

「部屋が…変わったあぁ!?」




部屋が回転した勢いで、私たちは落下する


あまりにも突然な事過ぎて、周りに落下を隔てるものを探す余裕もなくて、私たちは重力に逆らえないままだった


かろうじて、手の届くところに正一くんが居たので咄嗟に羽織を掴んで抱き抱える


善逸は申し訳ないけど、自分で何とかしてくれ



落下する先の麩が次々に開き、私たちはついに外の明かりを目にする


…そうか、あの男性が二階から落ちたのはこういうことだったのかと一人で納得していた


とりあえず、馨の呼吸では、この高さからの落下を和らげるような型は存在しない

だから…


「…風の呼吸 漆ノ型 け… ってちょっと善逸!!!」


私は、風の呼吸で衝撃を殺す為、刀を抜こうとしたところを善逸に引っ張られて正一くんと共に抱きしめられる



しかし、善逸は特に何か技を出すわけでもなく、目をつぶったまま落下



「え、ちょっとちょっと、馬鹿馬鹿馬鹿!!!」


このままじゃ、善逸が頭から落下してしまう…



どうしようと焦っていても、こいつ意外と馬鹿力で身動きが取れず、剣が抜けない




その間にも地面はどんどん迫って来て


…お、落ちる!!!

伍拾玖→←伍拾漆 命のみなもと 



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (52 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
75人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 我妻善逸 , 嘴平伊之助   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:あおい亜緒 | 作成日時:2020年5月17日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。