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捌拾伍 からくり屋敷 ページ37

翌日、朝餉をいただいてから私たちはすぐに出発し、歩いてから一刻を過ぎた辺りで到着した



「…おい、聞いてねぇぞA、こんなに山登るなんて聞いてない」


私(山育ち)、炭治郎(山育ち)、伊之助(山育ち)を除く約1名が、疲れた様子でそう言った


「ごめん、毎日のように登っていた山だから、普通だと思ってた、本当ごめん」




屋敷に着いて、へたりと座り込んだ善逸のもとへ行き、水入りの瓢箪を渡す


それを力なく受け取ると、ぐびぐびと飲みだす


自分で持ってきた水分は、もう底をついてしまったようで、私のを渡したのだが…



ありがとうと言って、返された瓢箪を振るとかなり減ったのがわかる



私も結構カラカラだったのに…
などと思いながら、残りの分を飲み干す




すると、その様子を善逸が驚いた様子で見ていて


「え、どうしたの」


と聞いたら、「それ…」「瓢箪…」と片言で瓢箪を指差しながらあわあわと慌てだす



「あ、ごめん、お水飲みたかった?
屋敷入れば用意できるから、もうちょっと待って」



私は、善逸が慌ててるのを他所に、屋敷の鍵を巾着袋の中から手探りで探す




「ここが入り口か!」


と言って、伊之助は扉に手をかけようとしていた


「ちょっと待って!伊之助!
そっちは、不審者避けの入り口だから、開けたら落とし穴が開くの!」



じゃあこっちか?と言って、炭治郎は裏口の扉を指す



「あ、それ以上近づかないで!
上から槍が飛んでくるよ」




私がそう言うと、炭治郎はギョッとした顔つきになり、後ずさる



「本当の入り口は、あそこ」


と言って屋敷の隣に建つ、倉庫を指差す



こんな物騒な屋敷に訪問客が来てたらどうしてたんだよ、槍が飛んでくるなんてとんでもねぇぞ

と伊之助が言ってきた




まず第一に、こんな山奥の屋敷、知り合いでもない人間がたどり着くことは困難


それに、用があるなら入り口の扉を訪ねてくるだろう


わざわざ裏口に回ってくるのは、夜な夜な人間を喰うために襲ってくる鬼だけだ



だから、訪問客には事前に、
屋敷に到着しても、倉庫の前にいるようにと言ってある

若しくは、私たちがその人たちを迎えに行く




その為、からくり屋敷の影響で出た被害者はいないので、安心していただきたい

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設定タグ:鬼滅の刃 , 我妻善逸 , 嘴平伊之助   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:あおい亜緒 | 作成日時:2020年5月17日 18時

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