捌拾参 仲直りの仕方 ページ35
あの後、
「本当に大丈夫?」「無理してるでしょ」「伊之助だけ来てくれたら問題ないから」と善逸に対して、来なくても大丈夫だと説得したものの
「大丈夫だってば!!」
と強めに言われて、少し怒らせてしまったようだ
三人とも(禰豆子ちゃんも)来てくれることになり、明日の朝に出発することが決定した
明日、この宿を空けますと、ひささんに伝えに行くと、実家でゆっくりしてくればと提案され、明日は私の屋敷で過ごすことになった
屋敷が廃墟化していなければの話だが
私は、久々に帰れるという嬉しさと、屋敷がどうなっているのかという不安を抱きつつ、湯から上がって、のぼせた身体を覚ますため、縁側へ向かうと、黄色い髪の毛が見えた
私よりも先に入っていた彼の髪の毛は既に乾いていて、私も髪を短くしようかなと考えながら、彼の隣に座る
こうも、善逸と話さない日が続いて、私は気がついた
いつも、私は彼に話しかけてもらっていたことに
ここ数日は、目を合わせてくれなかったり、ちょっと態度が冷たかったりする部分が目立ってたから、私は彼に何かしちゃったんだろう
まずはそのことについて謝りたい
私は、この歳ながら、炭治郎と善逸が初めての友達だ
山育ちだったし、近所にも歳の近い子がいなかったから、話し相手といえば師匠である巫さんだけ
だから、歳が近い二人と弟がいるこの空間が私には居心地が良すぎて、みんなに甘えていた部分は大きかったと思う
だから、この状態をうやむやにして善逸から話しかけてくれるのを待つのは違うと私は考えた
「善逸…、私、怒らせることしちゃったかな?」
私は、仲直りというものの経験がない
誰かと喧嘩したこともないから、仲直りの仕方を知らない
だから、この聞き方で正しいのかも分からない
「別に…なにもしてないよ」
私の問いに対して、なにもしてないと言われた
そんな訳はない、何かしちゃったから気まずくなっている
思い当たる点といえば、私がやきもち妬いた時に、伊之助を使って一発殴ってしまったこと
あの日の晩から、話をしていない
ただ、善逸がこのことに関して怒っているようにも見えないから、何を怒らせてしまったのか分からないでいた
「私、馬鹿だからさ
どうすれば、善逸と今までみたいに話せるか分からないんだ
だから、教えてくれない?」
「…いや、本当A悪くないから気にしないで」
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作者名:あおい亜緒 | 作成日時:2020年5月17日 18時