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陸拾玖 贈り物の意味 ページ21

「そういえば、ここにいた男の人は?」


私たちはみんなで、埋葬作業をしている時に、ふと炭治郎が聞いてきた


そうだった 言うの忘れていた


「炭治郎がくる少し前に、目覚めたから自分の足で帰ったよ」

「えええ! あの怪我で… 大丈夫かな、送ったほうが良かったんじゃないのか」

「私もそう思って、送ろうとしたんだけれど、断られちゃって…
なんなら、御礼の品受け取っちゃったし」

「何もらったんだ?」


善逸が聞いてきたから、私は懐の中にしまっている櫛を取り出して、「これ」と見せる



「ああ…、なんだ櫛か……ってくしぃぃい!?
おま…え、なんて言われたんだよ…まさか受けたりしたんじゃないよなぁああ!!!」


「え、何… やっぱ受け取るのまずかった?」


善逸のあまりの慌て様に、焦りを覚える

結構高価そうだもんね…、そうだよねそうだよね…


「善逸、何をそんなに慌ててるんだ?」


炭治郎も善逸の反応に疑問を持っていたようで


ただ、清くんと正一くんは、少し顔を赤らめたまま何も言わず


そんな私たち二人に善逸は、この世間知らずが!!と怒る…



「で、でも、これは元々別の人に渡すものだったらしいのよ…
それをどうしてもっていうから、私は受け取ったんだけど」


「……」


その発言を聞いて安心したのかホッとため息をつく黄色い彼



あ、でもごめんなさい、なんも分からないので説明してください


きょとんとした表情を変えることない私と炭治郎


そんな様子をみて、少し咳払いをかました善逸



「…いいか、本来、贈り物に櫛は選ばないんだ。”苦しいのク”と”死ぬのシ”の意味合いがあるから、贈り物にはよくない

だけど、櫛を贈るにはもう一つ意味があって

”苦労も幸福も共に過ごして、死ぬまで添い遂げよう”っていう”求婚”の意味合いもあるんだ」


まぁ、江戸時代の話だから、今はそこまで盛んじゃないけれど、かなり高い櫛だから…と彼は続けた



……


「ええええ!!待って、そんな大事なものをもらってしまったの…、まずい、すぐに返さないと」


そう言って、立ち上がる私を制する善逸


「え、なんで止めるの」

「…なんとなく」

「いや…、なんでよ」

世間知らず過ぎてホトホト自分に呆れる



「まぁ、でも。もらっていいんじゃないか?そんな大切なものでも渡したいって思われる程感謝されているんだ」


それに今更返されても、逆に困るんじゃないかと思うし…

と炭治郎に言われた

漆拾→←陸拾捌 生き別れた双子



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設定タグ:鬼滅の刃 , 我妻善逸 , 嘴平伊之助   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:あおい亜緒 | 作成日時:2020年5月17日 18時

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