陸拾伍 守ったよ ページ17
その後も伊之助の暴走は止まらず、私と善逸は箱を守り続けた
蹴るわ殴るわの攻撃を、私は防いだりするものの体力が限界に近くて、割と食らってしまう
それもその筈、相手は全力な上に、私たちに致命傷を与える気満々だ
それに比べて私たちは、攻撃を防ぎつつも、こちらからは攻撃しない…伊之助の体力も減らない筈だ
「ぐはっ…！！」
「…A！！」
そして、もろ鳩尾に一発くらった私は、口から血の味がして、それを吐き出す
体制を整えようと少し身体を動かすも、激痛が走る
…これ肋折れてるわ…
私が動けなくなったのを確認した伊之助は、善逸と箱の方へ向かい、再び蹴る
＿＿＿
「刀を抜いて戦え この弱味噌が！！」
伊之助がそういって善逸が蹴られたのと同時に、屋敷の中から誰かが走って来るのが気配で分かった
あ…炭治郎だ
「炭治郎…俺…守ったよ…
お前が…これ… 命より大事なものだって…… 言ってたから…」
炭治郎は、てる子ちゃんと柿色の着物をきた少年を連れて、屋敷の入り口にいた
…よかった、みんな無事だったみたいで
「威勢のいいこと言ったくせに 刀も抜かねえこの愚図が！！
同じ鬼殺隊なら 戦ってみせろ！！」
伊之助はその間も善逸を蹴り続け、善逸も頑なに箱から手を離そうとしない
その姿に、伊之助は諦めたのか、攻撃を一度止めた
「もういい…これ以上俺の邪魔をするなら…
お前ごと箱を串刺しにしてやる！！」
まずい…
「やめて！伊之助！！」
そう言って移動するも、私じゃ間に合わない…
「やめろ！！」
炭治郎はそう叫んで、瞬時に伊之助のもとへ移動する
そして鳩尾へ一発…
＿＿バキッ！！
「「骨…折ったァ！！」」
私でも聞こえた…ボキっていう音
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作者名：あおい亜緒 | 作成日時：2020年5月17日 18時
