4.にいさんとわたし ページ6
*
私が彼の【いもうと】であることを受け入れたその日から、私の生活は大きく変わった。
まずは彼の呼び方。にいさん、と。そう呼ばなければならなくなった。彼が「私の【いもうと】なのだから当然だろう?」と、蕩けるような笑みと共に私へそう言ったのを今でもよく覚えている。
次に衣食住。服は彼が全て用意して、食事は私が用意して。今まで一人暮らしだった生活から一変して同棲生活へ。ただしこれは彼からすれば【家族】なのだから同棲でもなんでもないのだろうけど。
そして。私が外へ出るときには必ず彼がいて、彼は私を自分の妹だと紹介するようになった。
髪色も顔付きも全く似ていない私たちに、紹介された人は毎回必ず「似ていない」と溢す。当然だ。私たちは兄妹ではないのだから。
それでも彼は、他人に私を妹だと紹介する時が一番幸せなようだった。
*
「A、おいで。」
彼がベッドに座りながら手招きをする。もちろん私に拒否権はない。ふらふらとした足取りで彼の元へ。
近くまで辿り着いたところで、ぐ、と彼に強く腕を引かれた。当然私はバランスを崩し彼の方へぽすりと倒れ込む。そうしてそのまま彼は私を抱き締める。
「っ、にいさん、危ないよ。」
「……嗚呼、Aはかわいいね。」
急な彼の行動に思わず文句が溢れてしまう。ただし彼は聞いていないようだけれども。
そのことに溜め息を吐きたい気分に陥りながらも私は彼の好きなようにさせる。下手に抵抗すると彼の機嫌が悪くなるから。
ぽんぽんと彼の背中を撫でつつ、早々に朝が来ることを、私は切に願うのだ。
「私のかわいい【いもうと】。永遠に一緒だ。」
*
265人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ミレー - 完結とは悲しいです゚。(p>∧<q)。゚゚ 太宰治様はいもうとを手にかけたのですか 太宰治様のヤンデレハンパないです(*´∀`*) (2019年9月19日 20時) (携帯から) (レス) id: a496965e6a (このIDを非表示/違反報告)
ミレー - あっぷるさん» お返事ありがとうございます(≧∇≦) 病んだ太宰治様大好きです(*´∀`*) これからも病んだ太宰治を出して下さい(*´∀`)ノ (2019年9月19日 17時) (携帯から) (レス) id: a496965e6a (このIDを非表示/違反報告)
あっぷる(プロフ) - ミレーさん» コメントありがとうございます!ご満足いただけたようで幸いです!まだまだな私ですが、どうぞお付き合いくださいませ(^ ^) (2019年9月18日 21時) (レス) id: 9e41ced277 (このIDを非表示/違反報告)
ミレー - 初めてこの作品を見ましたが(*´∀`)ノ 最高です(*´∀`*) 続き楽しみに待ってます(o>ω<o) (2019年9月18日 19時) (携帯から) (レス) id: a496965e6a (このIDを非表示/違反報告)
あっぷる(プロフ) - 明蛍さん» コメントありがとうございます!そう言っていただきますと本当に嬉しいです(^ ^) ぼちぼち更新していきますのでどうぞお付き合いください m(_ _)m (2019年9月17日 13時) (レス) id: 9e41ced277 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あっぷる | 作成日時:2019年9月16日 18時