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9.やらかしてしまったようです。 ページ11







「それでもうチューヤがあまりに可愛いすぎて最近悶え死にそうなんですよ店長〜」


「俺が何だって?」


「あ。」



死にました。











午後六時。店内にいるのは私と先程キッチンに引っ込んでしまった店長と、常連の中原さん。


昼間の賑やかさが嘘のように静まり返った店内で、私は中原さんに謝り倒していた。肝心の彼は苦笑いを浮かべて私の謝罪を流しているけれど。



事の発端は一五分前のとある出来事だ。


私は先日猫カフェ【サンドラ】から、私が名付けた猫【チューヤ】を引き取ったのだが、


あまりにも可愛すぎて店長に惚気話を垂れ流していたのだ。


だって仕方がないじゃないか!誰かにあの子の可愛さを知って欲しかったのだから!

その上閉店間近だったのもあって、私はもう兎に角店長にチューヤのことを話しまくっていた。


そうしたら。まさかの本人が来てしまって私が猫に【チューヤ】と名付けて可愛がっていることがバレたのであった。死にたい。いや誰か殺してくれ。



「ほんっとうに申し訳ありませんでした……中原さんにとても良く似ていたのでつい……」



自分の名前を猫に付け、その猫を可愛がっている女。最悪である。



深く頭を下げて謝罪をする。私のことは嫌いになってもお店は嫌いにならないでください。

そんなことを考えていたら、頭にぽすりと軽い衝撃が走り、「別に気にしちゃいねェよ」と一言。


「でも」と引き下がる。お客様に気を遣わせてしまうなんて私は店員として最低だ。久しぶりに凹む。


暗くどんよりとした陰鬱なオーラが私に纏い始めたのを悟ったのか、中原さんは「じゃあ俺のことも名前で呼んでくれ」と。



「……名前、ですか?」


「手前さえ良ければだけどな。」



そう言って頰を掻く中原さん、もとい中也さんの顔は少し赤みを帯びているような気がして。ああ照明の加減かなぁなんて、ちょっととぼけてみたり。



「中也、さん。」



あれ、なんだろう。顔が熱い。ただ常連さんの名前を呼んだだけじゃないか。いつも家で【チューヤ】と同じ風に呼んでいるのに。


心臓がばくばくと今までにないくらい強く脈打っている。全身の血液という血液が総動員して頰に集まるのを感じる。


この感覚、なんだっけ。


嬉しそうに笑う中也さんは、なんだか、こう、いつもとは違うような。そう、雰囲気。それがあって。




__待って。貴方そんなにカッコ良かったですか?





10.尋問されるようです。→←8.名付けるようです。



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村人C - 神に祈りを(//∇//) (2022年6月8日 21時) (レス) @page24 id: 22d4be940f (このIDを非表示/違反報告)
M - 凄く美しい(?)なんかもう言葉に表せない程好きです。神様素敵帽子君が尊すぎです。夢主の性格も可愛らしくて吐血しそうでした。もうトゥンクが凄いです!! (2022年5月8日 15時) (レス) @page24 id: e7b90db1c1 (このIDを非表示/違反報告)
加奈 - 否、可愛いから付き合いたいな。危険は重々承知してますが。 (2020年6月12日 14時) (レス) id: b3d6820988 (このIDを非表示/違反報告)
加奈 - 『手前』ってか…可愛いね、中也ちゃん。 (2020年6月12日 14時) (レス) id: b3d6820988 (このIDを非表示/違反報告)
あっぷる(プロフ) - Uヒさん» コメントありがとうございます!ご満足いただけたようで良かったです!ご愛読ありがとうございました! (2020年4月28日 10時) (レス) id: 9e41ced277 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あっぷる | 作成日時:2019年7月13日 2時

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