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【入隊理由】鬼を滅ぼせと誰からも言われ続けてきたから。
【過去】
親が2人とも風の呼吸を使う鬼殺隊士であり、小さい頃から鍛錬だけをして過ごしてきた。修行だと言い聞かされ断食する事や、何も持たずに山の中に数日間放り出されたり、何回も命を落とすような場面に出会ってきた。生まれてから、ずっと死と隣り合わせだったと言えるだろう。
親は柱でもなんでもなく、特別強いという訳でもなかった。ただ、仕事に誇りは持っていたらしい。どうしても彼女を鬼殺隊士に育てたかったらしく、上記のような、小さい子供には厳し過ぎるくらいの鍛錬をし続けた。どうせ最後には死ぬんだから、と名前はもらえなかった。結果、元から才があった彼女が両親の実力を上回ったのはとても早かった。だが、両親はそれを認めようとはしなかった。彼女も、べつに認めさせようとはしなかった。彼女の方が強いのは、揺るぎない事実であり、おそらくこの先変わることの無い事実なのである。特殊に育てられてきたためか、彼女の感性は既に大人びているものだった。
ある日の夜、両親が非番で家族全員が家に揃っていた日。それは起こった。藤の花のお香が切れていたが、自称優秀な両親は気にする様子もなかった。だが、運悪く鬼は来てしまった。しかも夜幻鬼。鬼殺隊士である両親が敵うはずもなかった。目の前で両親が殺されたが、彼女は何も思わなかった、感じなかったに近いだろう。そう、この頃には特区に人並みの感情など持ち合わせてはいなかった。咄嗟に両親の刀で抵抗してみれば、鬼は驚いたのか、飽きたのか、はたまた他に理由があるのか、立ち去って行った。
両親がいなくなり、家を後にして、することもないため、いっその事もう死んでしまおうかと思った時、1人の人間と出会った。それこそが、恩師・鱗滝左近次である。鱗滝左近次は、彼女の体質に風の呼吸が合っていない事にすぐに気が付いた。彼女も、自分が動きやすい動きを見付けることにそう時間はかからなかった。その結果編み出したのが、2つの呼吸の派生である魂の呼吸である。最終選別を受け、一応両親の願いであった鬼殺隊に入隊するも、夜幻鬼や星夢隊の事を知りわずか1年で脱退。選別を突破し、ひたすら夜幻鬼を倒し続け、今に至る。
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作者名：魑魅 零 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/novel/SudamaRei21/
作成日時：2020年11月6日 7時
