※ ページ27
荷物をまとめるのに時間がかかった。
それだけオレとAの歴史があってん。
でっかい紙袋に自分の物だけを選別して入れてるAを眺めながら
･･･こいつだけは離したくなかったなってどうしても思ってしまう。
悔しいけどしゃあない。
結局オレはカエルのまんま。
お姫様に選ばれる王子にはなられへんかった。
･･･最後の最後まで。
荷物を抱えたAはもう別の事考えてる。
「悪いけど、送られへんから。」
ここで。この部屋で終わりにしたい。
わかってるって少し微笑んで荷物を玄関まで運んでる。
「たーくん？今までほんとにありがとう。」
さっきまで号泣してた顔はもう既にわからへんくらい
凛として美人で可愛くて
愛おしいAが最後の別れを言う。
思わず抱きしめたらなんの躊躇いもなく抱き締め返してくるA。
「元気でな？応援してる。」
そう。女優のAの事これからもオレはファンでい続けるねん。
「私も。応援してるからね？」
そう言って離れた後お互い距離を取って手を繋ぐ。
まだそうそう簡単には離れられへんねん。
手を繋いだままどれくらい見つめ合ってたんやろ？
「私の王子様でい続けてくれてありがとうございました。」
予想外のAの言葉に戸惑う。
「･･･知ってたよ？
たーくんが私の事姫扱いして、自分が王子になろって想ってくれてた事。」
涙溜めて嬉しそうに呟く。
･･･北山か。いらん事言うてくれてるわ。
「充分お姫様気分にさせて貰ってました。
ありがとう。」
あかん。泣くわ。
止めてくれ。
オレが王子になられへんかったからおまえは違う男ん所行くクセに。
靴を履いて荷物を抱えてドアに手をかけたAが振り向いた。
「たーくん、さよなら。」
オレの顔じっと見つめてそう言った途端、勢いよくドアを開けてすぐに出てった。
･･･オレに何も言わさへんまんま。
終わった。
すぐさま追いかけたい衝動を押し留めて
気持ちとは裏腹にリビングへ戻る。
Aとの時間は
オレが振り回されっぱなしでアタフタして嫉妬して。
それでも愛しくて守ってやりたくて好きで堪らんかった。
「ほんまにありがとう。」
１人呟いて
Aももう既に外したやろうお揃いのピアスを外した。
fin
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Haru(プロフ) - RI SAさん» なので大倉くんを幸せしたくて続編描き始めたのですが中途半端なまんまで更新出来てなくて^^;でもRI SAさんにそう言って頂いて続き頑張ろうかなって気になりました。他作品も「北山さんに恋する彼女達」で大倉くん出てきます(^^)ぜひまた遊びにいらしてくださいね(^^) (2019年1月8日 17時) (
レス) id: 476aea9d9a (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - RI SAさん» はじめまして！こんな以前のお話しでコメ頂いてすごく嬉しいです！主人公、やらかしてますよね^^;でも他にはないキャラにしたくて、大倉くんにはそんな彼女に溺愛して欲しかったっていう。。最後別れたのは大人のリアルを出したかったんです。 (2019年1月8日 17時) (レス) id: 476aea9d9a (このIDを非表示/違反報告)
RI SA(プロフ) - 切ない終わりだったので、大倉君が幸せになれそうな続編も、これから読もう思いますね。他の作品も読みたいと思ってます！いろんなお話、待ってます！ (2019年1月8日 16時) (レス) id: d40641b106 (このIDを非表示/違反報告)
RI SA(プロフ) - 続き。でもそんな主人公に大倉君が惚れ込んで一生懸命なのを読んでてすごく応援したくなりました。頑張れ！って。だからこそ、好きじゃない主人公でも、最後お別れで終わってしまって寂しかったです。大倉君ひとすじになって、幸せになってもらいたかったですー！ (2019年1月8日 16時) (レス) id: d40641b106 (このIDを非表示/違反報告)
RI SA(プロフ) - 初コメです！北山くんと錦戸君のお話からコチラも読ませて頂きました！正直、この主人公の性格は好みではありません。彼氏以外にフラフラ良い顔したり、他の人ともキスをしたり、スキンシップ多めだったり (2019年1月8日 16時) (レス) id: d40641b106 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Haru
| 作成日時：2017年11月8日 20時
