写真とPC�� ページ16
「なぁ〜にしてるんですか坂田さん？」
「うぉっ！じゃらしちゃん！？戻ってくるの早くない！？」
後ろを振り返ると乾いたティーバックを手にぶら下げながら腕組みしているじゃらしちゃんがいた。
「坂田さんが手に持ってるその写真は……」
「べ、別に落ちてたから拾っただけだぜ。
…これってじゃらしちゃんの家族？」
銀時の言葉に頷くとねこは写真の人物を指差して、『これが父と母で私の左に立ってるのが兄さんです。』と淡々と自身の家族について説明した。
「家族写真って言っても遺影みたいなものですよ。ほら、攘夷戦争ってあったじゃないですか？
あの時に父と兄さんが行ってしまったきりで…」
ねこの口から出た攘夷戦争という言葉で銀時は硬直してしまった。
まさか、あの戦争でじゃらしちゃんも色んなモンを失ってしまっていたなんて。
他人事のように言いながらも何処か悲しそうな目を銀時はしていた。
銀時が固まる中、続けざまにねこは語る。
「幕府側も攘夷浪士側も守りたかったものは同じ国だったはずなのに、攘夷浪士達は犯罪者扱いされてしまうなんて哀しい話ですよね。」
「国家大逆罪みたいなモンだからな。捕まえられてもしょうがねぇよ」
「でも、だとしても！お国のため誰かのためを思って戦ったのに結局罪人扱いされるだなんてッ
…ジブンは、戦争死んでいった人達の死を無意味にされてるみたいで気に食わないんです。」
言葉が詰まりながらも涙ぐむねこに銀時は掛ける言葉が見つからない。
だからせめて泣いてしまわないように肩を抱いてあげることぐらいしかできなかった。
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作成日時：2016年1月2日 18時
