学年1の涼くん！！

#27 ページ27

半周はあっという間で。



生徒「……………ですね、おっけーです」



さっきの張り切ってる生徒じゃなくて、違うぼそぼそとした審査員の生徒だった。



なんて言ったかわかんなくて、気になったけど、




涼「あとの1周で前の人抜かすから見てて」



って言われたから、涼くんの方が気になってしまう。



「うんっ、頑張って」



そういって瑠衣のところに戻り、最前列で涼くんを見る。



どんどん前の人との差を縮めて、隣に並ぶ。




でも涼くんの方がアウトコースだから、なかなか抜かせず。




「りょーくーんっ！！！」



勝って欲しくて、気づいたら叫んだ。




その2秒後。




見事、僅差で涼くんがゴールテープを切った。



やっぱりカッコ良すぎる……



瑠「結局、橋本くんの紙には何て書いてあったの？」



忘れてたことを瑠衣に言われ、思い出す。




「わかんない……けど、真弥より私を選んでくれたのは嬉しかった！」




今でも残ってる、握られた手の感覚。




涼くんと付き合ったら、こんな感じなのかな………




でもふと思い出す、真弥の存在。




自分の手を見つめて、悲しくなる。



「ねえ瑠衣……」




瑠「ん？」



瑠衣に聞いてもわからないはずなのに、聞きたくなった。




「………涼くんってホントに真弥と付き合ってるのかな？」





答えは決まってるのに、否定して欲しくて。





こんなことされたら、期待しちゃうじゃん……

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