４５．２回目は ページ45
冷やし中華を食べ終え、その後はウィンドウショッピングをしながら、自分たちのことを色々話した。
誕生日
好きな食べ物
もっと小さい時のこと
特に過去のことなんて、思い出すだけで苦い思い出もあったけれど、昼神は笑顔で聞いてくれたし、逆に昼神の過去の失敗談とか聞いても、私の心に不快なものは一切積もらなかった。
デメリットではなく、メリットに目を向ける。
姉が言ったことをよく思い出してみる。
昼神は、私の話を誤魔化さない。
私のことをしっかり考えてくれる。
ちょっと意地悪で、私もカッとなりやすいから喧嘩もあるだろうけど、私たちはよく話すから、きっと解決するのも早いだろう。
そして何より、昼神の愛情を信じれる。
この人は私の事が好きなんだと、疑う隙もないくらいに思い知らせてくる。
そして、上手く私の思いも引き出してくれる。
ドライだと言われる私でも、彼にならたくさん伝えれるかもしれない。
「着いたよ。ここが今日の最終地点。」
そんなこと言っ考えているうちに、昼神が連れてきたのは市街を一望できる小高い展望台。
ここは私も来たことがある。
「来たことはあるよね。何か思い出とかある？」
「私にはあまりないけど、父と母のお気に入りの場所なの。父は、ここで母に告白したんだって。」
「へぇ。お父さん、粋なことするね。」
「うん。だからここは両親のお気に入りスポットで、２回目の告白の時もプロポーズの時も、ここでやったんだって。」
「……２回目？」
「１回目は交際を申し込んで、２回目は結婚を前提に付き合ってくださいって言ったんだって。多分その時、父はもう母しか見えてなくて、母と一緒になる覚悟をしたんだろうね。」
「………そっか。」
こういう話を昼神にするのもどうかと思うけど、もし私たちが付き合って、将来を考えることになったとしても、それは私たちのペースでやるべきだし、必ずしも参考にはしなくていい。
……なんてことを懇切丁寧に昼神に言うのも恥ずかしいので言わないけど。
「じゃあ、俺も２回目の告白はここでしょうかな。」
「えっ」
参考にしなくていいと思って傍からそんなことをいう昼神。
素っ頓狂な声を発して、私は思わず昼神を見る。
「夏休み最終日にもう一回デートして、それで最後ここでもう一回告白する。だから約束通り、その時Aちゃんの答えを聞かせて欲しい。」
展望台から見える街のネオンが昼神の笑顔を照らす。
そんなの、もう答えは決まってる。
早くこの気持ちを伝えたい思いをはやらせながら、私たちの初めての逢瀬は幕を閉じた。
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早苗くん - 36話めっちゃすきです。｢海を渡る鴎に相応しい、海の男の音が響き渡る。｣のところカッコよすぎです。 (6月10日 12時) (
レス) @page36 id: 5215e79380 (このIDを非表示/違反報告)
葵坂(プロフ) - あぽ様です。さん» ですよね！わかってるんですよ｢現実的じゃないなぁ｣｢ちょっとキャラ崩壊かなぁ｣とは！しかし！私の解釈で書いてまいりますので！応援してくださる方はそのままで、ダメな方はゆっくり回れ右をして頂く！これが葵坂流でございます！コメントありがとうございました！ (2023年5月3日 7時) (レス) id: ea5ee97200 (このIDを非表示/違反報告)
葵坂(プロフ) - ぺpopo。さん» ありがとうございます！！え、後味スッキリでした？！そう思っていただけたなら作者冥利に着きます！！夢主の性格は、作者どうしてもThe.女の子っていう子が書けない中でどうやって恋愛小説っぽい子を書くか思案した結果あぁなりました！これからもよろしく願いします！ (2023年5月3日 7時) (レス) id: ea5ee97200 (このIDを非表示/違反報告)
葵坂(プロフ) - FLOWERさん» たくさんのコメントありがとうございまする！やはりあそこですか！！作者も結構頑張ってキュンを追求したのですけど、やっぱり展開が早すぎたかなぁと反省しておりました。そんなところにFLOWER様のコメントを頂きまして、大変心がほっとしております！次も乞うご期待！ (2023年5月3日 7時) (レス) id: ea5ee97200 (このIDを非表示/違反報告)
あぽ様です。 - 告白現場に居合わせる、ひどい振り方とか夢あるあるだね (2023年5月3日 0時) (レス) @page3 id: a540b2ed94 (このIDを非表示/違反報告)
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