３５．大声援 ページ35
それから２日後の午後。
私は趣味の用事を済ませて、送り迎えをしてもらった姉と一緒に用事を済ませた兄と共に体育館の中に入った。
趣味の後だったので、私も兄も姉も癖で趣味の道具を持ってきてしまって、なんか場違い３人組になった。
兄も姉も昼神が気になるようで、私一人の力では止められなかった。
鴎台は無事３試合目を突破し、現在は準々決勝をやっているという。
もう始まっているかもと慌てて３人で体育館に入ると、ものすっごい音に出迎えられた。
初日から、沢山の管楽器による演奏で応援されていた、あの高校。
「え、うそ、ヒルガミくん、あんなのとやるの？？」
「アレ稲荷崎だろ。吹部がめっちゃ強いとこ。」
「うん、稲荷崎だと思う。」
姉と兄が驚いている。
だって、私に色々教えてくださったバレー奥様達が「あれ、ウチの応援やねんで〜」って意気揚々に言ってた。
「えっと、サーブ打つ時にわざとリズム作って、サーバーのタイミングを操るんだって。」
「え、ベンチ外でそんなことしていいの？？」
「あとは、サーブ打つ前にブーイングして精神を煽るって。」
「なんなの？？ベンチ外の人間が頑張らないと弱いチームなの？？？」
「さぁ………」
でも、私も兄も姉も知っている。
まぐれで全国の準々決勝まで来る人なんていない。
「あ、Aちゃん！」
「あ、お疲れ様です。」
私たちがあの演奏に圧倒されていると、鴎台の父兄の方が声をかけてくれた。
予選の初戦からお世話になっている人だ。誰の親御さんかは分からない。ＯＢさんの可能性もある。
「凄いですね、応援。」
「そうなんだよ。監督もボヤいてた。大きな音じゃなくていいから、リズムを固定されるような音を排除してくれるような音があればって。」
「リズムを固定されるような音を排除する音………」
それは正に、神が起こした偶然の産物。
思わず兄と姉の方を見ると、もう準備をしていた。
「未来の義弟くんにいいとこ見せないとね！！」
「安心してうちに婿入りしてもらわなければ。」
「いや、私結婚するなら相手の苗字に入る予定だから。」
「え」
「え」
「…………え、なに。それが普通でしょ？」
「俺、婿養子に入る予定なんだけど。」
「てっきりAが継いでくれるのかと。」
「いやいや、ウチの苗字なんて頑張って継ぐようなものじゃないでしょ。」
「「確かに」」
ーー
夢主の趣味が、今明かされる……！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 151人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
早苗くん - 36話めっちゃすきです。｢海を渡る鴎に相応しい、海の男の音が響き渡る。｣のところカッコよすぎです。 (6月10日 12時) (
レス) @page36 id: 5215e79380 (このIDを非表示/違反報告)
葵坂(プロフ) - あぽ様です。さん» ですよね！わかってるんですよ｢現実的じゃないなぁ｣｢ちょっとキャラ崩壊かなぁ｣とは！しかし！私の解釈で書いてまいりますので！応援してくださる方はそのままで、ダメな方はゆっくり回れ右をして頂く！これが葵坂流でございます！コメントありがとうございました！ (5月3日 7時) (レス) id: ea5ee97200 (このIDを非表示/違反報告)
葵坂(プロフ) - ぺpopo。さん» ありがとうございます！！え、後味スッキリでした？！そう思っていただけたなら作者冥利に着きます！！夢主の性格は、作者どうしてもThe.女の子っていう子が書けない中でどうやって恋愛小説っぽい子を書くか思案した結果あぁなりました！これからもよろしく願いします！ (5月3日 7時) (レス) id: ea5ee97200 (このIDを非表示/違反報告)
葵坂(プロフ) - FLOWERさん» たくさんのコメントありがとうございまする！やはりあそこですか！！作者も結構頑張ってキュンを追求したのですけど、やっぱり展開が早すぎたかなぁと反省しておりました。そんなところにFLOWER様のコメントを頂きまして、大変心がほっとしております！次も乞うご期待！ (5月3日 7時) (レス) id: ea5ee97200 (このIDを非表示/違反報告)
あぽ様です。 - 告白現場に居合わせる、ひどい振り方とか夢あるあるだね (5月3日 0時) (レス) @page3 id: a540b2ed94 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
