軍パロⅠ (ページ1)

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1話ページ1

エーミール「ルイ兄さんお久しぶりですね」
俺の可愛い弟は、今日も変わらず天使のような笑顔で微笑んだ。
そんな彼に俺は、少し申し訳なさそうにこう告げるのだ。
ルイ「ごめんな、エミさん。俺らもう会えへんわ」
エミ「…………」
その時の彼の表情は、今でも忘れない。
この世の終わりでも見たかのような絶望感に満ちた顔だった。
エミ「嘘ですよね？」
彼は震えた声で問うてくる。
しかし、その問いには答えられなかった。
何故なら、本当にそうなってしまったから。
俺があの時、素直に従っていればこんなことにはならなかっただろう。
けれど、後悔しても遅いのだ。
もう全ては手遅れだから。
エミ「どうして？何か悪いことでもしたんですか！？僕たち家族じゃないですか！！」
悲痛な叫び声を上げる彼を見ていられなくて、思わず目を逸らす。
しかし、ここで罪悪感に押し潰されるわけにもいかない。
彼が泣き叫ぶ姿を黙って見ていると、どうしても思い出してしまうからだ。
俺のせいで死んでしまった彼を。
そして、俺を庇ったせいで殺されてしまった彼を。
ルイ「すまん……」
エミ「謝らないでくださいよ！！理由を教えてください！！」
必死に問いかけてくる弟の言葉を聞きながら、俺はただひたすら謝罪の言葉を口にすることしかできなかった。
ルイ「……ほんまにすまん。全部終わったら説明するから。今は許してくれんかな」
エミ「嫌です！絶対に納得できません！」
エミさんの気持ちはよくわかる。
でも、これは仕方のない事なのだ。
どうすることもできないほど深刻な問題だった。
ルイ「エミさん頼むわ。わかってくれや……」
エミ「わかりたくないです。だっておかしいじゃないですか……。やっとまた一緒に暮らせると思ったのに」
エミさんの声は次第に弱々しくなっていく。
彼は今どんな顔をしているだろうか。
泣いているのか、それとも怒っているのか。
想像するだけで胸が苦しくなった。
ルイ「ごめんなぁ……」
俺はそれだけ言って、その場を去ることにした。