【オリジナル企画小説】継承者Ｒ弐

第七十七話『鯱』古明地那楠side ページ27

堕落者を微塵切りにして、この剣の威力を痛感した。

いやはや、流石は台与さんの力だ。

卑弥呼さんの力は、使いどころの難しく不安定な能力ですがうまく使えば強いですかね。今回の戦闘じゃ使わなかったけれど。


そう思って見事に微塵切られている堕落者の亡骸を見ていると、誰かの視線を感じた。

なんだろう、と思うより少し早く千尋夜さんが動く。とりあえずすぐに襲ってくるような人ではないようだ。


って、あれ何だ…………！？大きい蟷螂？というか堕落者！？

あっちは、すぐに襲ってくるような感じですね…………やるしかないですか。



見ると、天野さんと千尋夜さん、そしてさっきの人も臨戦態勢だ。

｢連戦、と言うわけですね。｣

｢ああ。しかもなかなか強そうだな。｣

｢ああもう、さっさと倒しましょう。私はぶっちゃけ早く帰りたいんですよ。妻に会いたいです。｣

｢私だって帰りたいさ。というか基本皆そうだろう。さ、くっちゃべってる暇はなさげだよ。｣


まあ私は皆さんより｢帰る｣ハードルは低いんですけどね。わざわざ言うことでもないし、目の前で鎌を振り上げてるこいつの対処が先かな。



そう思い、剣を構えた。

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