第七十八話『鯱』天野永久side ページ28
巨大堕落者は六本の鎌を巧みに操り、永久たち四人を近づけさせてくれない。
知能を得た堕落者は前の戦いにはいなかった。なんでいきなりこんな······。
考えながら敵の攻撃を避ける。しかし、永久達は苦戦を強いられていた。通常、先頭においては必ず隙ができる瞬間がある。それは攻撃の直後と、攻撃の瞬間。
しかしこの堕落者は、攻撃中、別の腕をガードに使用しているので、一切の隙がないのだ。
「ちぃ······」
「距離を置いた方が良さそうだね」
「その通りですね。このままではこちらがやられます」
鯱の三人と真賀流は、属性攻撃を放出する作用で後ろに飛んだ。着地した場所は、鎌の攻撃範囲外だ。岩かげに身を潜め、反撃のタイミングを窺うものの、そんなにたたないうちに一人が隠れていた岩を切り裂かれて見つかった。真賀流だ。
彼は永久たちに会う前にも堕落者と一戦交えてきたらしく、乱れる息を庇うのが難しかったのだろう。
永久はとっさに目に力を集中させる。真賀流を追い詰める巨大堕落者。鎌が降り下ろされ、真賀流の体を直撃する寸前。真賀流は霧のように消え、鎌は空を切る。
永久が能力を発揮したのだ。真賀流の顔は真っ青だった。無理もない。自分でもあの状況にたたされたら、きっとこうなる。
「立てるか? 真賀流」
「当たり前だろ。俺は英雄王だ」
顔を見合わせて静かに笑う。敵同士とは思えない行動だった。
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ジグ(プロフ) - 終わりました (2017年3月18日 17時) (レス) id: 551194a6cd (このIDを非表示/違反報告)
ジグ(プロフ) - 更新します (2017年3月18日 16時) (レス) id: 551194a6cd (このIDを非表示/違反報告)
北斗七星(プロフ) - 終わりです (2017年3月18日 16時) (レス) id: 9ad4b46b38 (このIDを非表示/違反報告)
北斗七星(プロフ) - 更新いきます (2017年3月18日 16時) (レス) id: 9ad4b46b38 (このIDを非表示/違反報告)
鯉城@メイドラのエルマ赤穂浪士で死亡(プロフ) - 終わりましたー、次の方どうぞ! 本当だ、順位上がってますね笑 (2017年3月18日 16時) (レス) id: 38080604d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:海月 x他8人 | 作者ホームページ:( ˇωˇ )
作成日時:2017年2月3日 22時