第六十四話『隼』破沼真賀流side ページ14
色々な修理が終了したので、とりあえずリビングで傷の手当てをする。
多分外見からも分かるように手先は不器用だが、高校生の時によく不良に絡まれて喧嘩に巻き込まれて、その時によく怪我の手当をしていたから慣れてはいた。
そのため、余り時間をかけずに腕に包帯を巻くことができた。
...ここまでは。
「げ...肩もかよ...」
全身...特に腕は刺し傷と切り傷とあざのオンパレードだったが、その傷が右肩の方まで来ていた。
手当事態は慣れているが、何故か肩にだけ包帯を巻くのが苦手なのだ。
「(...棗に頼むか...?)」
そこまで考えて、その思考を切り離した。なんて頼めばいいか分からなかったからだ。
大体普通に頼めれば今頃こんなひねくれた性格は改善されてるだろうし、友達だって出来ているだろう。
そもそもの話、今日数人の人間と話たのは実に久しぶりのことだった。
今日を抜いて最後に話したのが一週間前、コンビニのアルバイトをしてたときの客との会話位だった。しかも『弁当暖めますか?』としか話してない。
柄が悪いせいか、レジに立ってても誰も来てさえくれない。
ぶっちゃけ面倒だからバイト止めたいが、生活費がかかっているのでやめるわけにも行かない。
今の努力は将来必ず役に立つ、って一年前の高校時代の時の担任が偉そうに上から目線で言ってた言葉を信じた結果がこれだよ。
「腹減ったな」
包帯を巻き終えた所で思い出したように腹がすきはじめた。
しかし何もないだろうし、作る気にもならない。
料理が下手なのは分かっている。
一度気分転換にと作った料理を食べて死ぬまでは至らない軽い食中毒のような症状が出たことがある。
そこらのスーパーで買った極々普通の材料で作った自分の料理を食べて自分で食中毒を引き起こすってどういうこと!?
それ以来下手なことがわかったので料理はしていない。
作れるもの無いし...いや、一つだけ得意料理があったな。鍋。
なんで鍋だけ作れるかって?煮込むだけだから。
そんなことを考えていると奥津城がキッチンの方に行って何もすることがなくなったので、少し寝ることにした。
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ジグ(プロフ) - 終わりました (2017年3月18日 17時) (レス) id: 551194a6cd (このIDを非表示/違反報告)
ジグ(プロフ) - 更新します (2017年3月18日 16時) (レス) id: 551194a6cd (このIDを非表示/違反報告)
北斗七星(プロフ) - 終わりです (2017年3月18日 16時) (レス) id: 9ad4b46b38 (このIDを非表示/違反報告)
北斗七星(プロフ) - 更新いきます (2017年3月18日 16時) (レス) id: 9ad4b46b38 (このIDを非表示/違反報告)
鯉城@メイドラのエルマ赤穂浪士で死亡(プロフ) - 終わりましたー、次の方どうぞ! 本当だ、順位上がってますね笑 (2017年3月18日 16時) (レス) id: 38080604d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:海月 x他8人 | 作者ホームページ:( ˇωˇ )
作成日時:2017年2月3日 22時