転生9 ─？side─ (※血の表現有り) ページ12
蒸せるような炎天下の下
私の双子の妹は、死んだ。
冷たくなった妹を見た時
私は何が何だか分からなくなってその部屋から飛び出した。
何で？
そんなの、解りきってた…
父さんと母さんは出来の悪い妹を毛嫌いした。
別に何も出来なかった訳じゃない。
寧ろ妹は何でも卒なくこなすタイプだった。
…だけど私はそれ以上に沢山の事が出来てしまった。
プライドの高い両親は、姉の私が当たり前なのだと思い込んだ。
繰り返される暴力
それは留めることを知らず、妹をゆっくりと蝕んだ。
妹は何も言わなかった。
父に抵抗すらしなかった。母に口答えすらしなかった。
何も、しなかった。
父が荒れていたある日
父は妹を空き瓶で思い切り殴った。
鮮やかに飛び散る鮮血。
今でも覚えている。
見ているだけで痛かった。
痛い。痛い筈なんだ。
…なのに妹は平気な顔をして
『ごめんなさい、父さん』
そういって部屋に戻ろうとした。
私は慌てて止め、
「痛くないの？」
と問うた。
妹は不思議な顔をして言った。
『…痛いって、何？』
背筋が凍った。
"痛い"を知らない。知らないと言ったのだ。
この瞬間程、実の妹を恐ろしく思った時は無かった。
痛みを知らない。
…いや、違う。
両親に…痛みを"奪われた"んだ。
最後に私が見た妹の顔は、希望を映していた。
初めて見た
光を灯した瞳。
この時私は妹が何をしようとしているのか気付かなかった。
気付いていたら妹は死んでいなかったのかもしれない。
そう、考えたい。
いや、無理だろう。
きっと私が止めても、変わらなかった。
助けてとも言わない、抵抗もしない妹に
正直に言うと私は気味が悪い
と思っていた。
だから父が何をしようと、母が何をしようと私は何もしなかった。
私は…
妹を見殺しにしたんだから…。
もしも妹が輪廻転生と言うものをしているのなら、心の底から願いたい。
"幸せな家庭で育ってほしい"と─
…否、無理なのかもしれない。
妹と両親の関係には、何故だか前世からの因縁めいたモノを感じたのだ。
──きっと妹は、今も両親と言う呪縛に囚われ続けている。
愛される事を知らない妹に、誰か愛を与えてあげて。
きっとあの子は今も気付いていない。
自分が誰かに、必要とされている事を──
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桜酒 - やばい、挿絵めっちゃ綺麗 (2018年9月24日 16時) (
レス) id: 7715cc5acc (このIDを非表示/違反報告)
藍伊(プロフ) - まるさん» 全然生意気とかじゃないです！大丈夫ですよ！言われてみれば確かにそうですね…笑まぁただ、このお話の夢主ちゃんは色々と隠すつもりは無いんですよね…これ以上言うとネタバレになってしまうのですみません^^;違和感があったのならごめんなさい！ (2018年8月26日 19時) (レス) id: a43a9b4f38 (このIDを非表示/違反報告)
まる - あの……大変申し訳ないんですけど、一話であんなに殺伐としていた主人公が、前世の記憶を思い出したからって急にオタクじみた言動をするの、おかしいと思います。普通前世の記憶って隠そうとしますよね？そこなんか違和感です。生意気言ってすみません。 (2018年8月26日 3時) (レス) id: 778e9b4416 (このIDを非表示/違反報告)
藍伊(プロフ) - まひろさん» ありがとうございます！続編の方でガッカリさせてすみません…。次回にご期待下さい！ (2018年8月23日 16時) (レス) id: a43a9b4f38 (このIDを非表示/違反報告)
まひろ(プロフ) - 夢主が可愛すぎて鼻からケチャップが。 (2018年8月23日 8時) (レス) id: 7de6681971 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藍伊 | 作成日時：2018年6月18日 22時
