思ってなかった ページ49
「それから春の県民大会が始まったけど、皆と私に1枚の壁を感じた。」
「伊達工の時の試合前に本当は潔子と緊張するね、って話したかった。身長高くて不安だねって一緒に言いたかった。でも、偽りの言葉を話して緊張したまま伊達工の試合に出た。」
本当はこのことを言うか迷った。
でも、これを言わなかったら何にも解決しない。
今頃遅いかもしれないけど、やっと、やっと本当の自分に気づくことができた。
だから言わないとなにも意味がない。
伝えないと前と変わらないままだから。
「それから
「だからバレーを経験してた私がアドバイスをするのが最適だった。最適だったのに…今まで本当の自分の気持ちで向かい合わなかったせいで、なにもいえなかった。」
あの時のことを思い出すと苦しくて、自分の声が震える。
でも逃げること、自分を隠すことは辛いって知ってる。もうあの時のようにはなりたくない。
「私の意見なんて聞いてくれる訳がないって思った。
私は、仲間だと思っていた人達のことを信頼していなかった。仲間だなんてはじめから思っていなかった。」
声が震えて上手く言えないけど、頑張ってなんとか言い切ると潔子がふわっ、と優しく抱きしめた。
私は泣く資格が無いと思ってた。
全て自分が撒いたタネだから。
「あの時、皆を信じてアドバイスできていたらっ、東峰がトスを呼ばなくなるなんて事はなかったはずなのにっ、ノヤと東峰が喧嘩するはずなかったのにっ
全て、全て私が皆を信じなかったせい。」
潔子「Aは悪く無い。Aのせいなんかじゃないっ、誰も悪くないっっ」
私の代わりに涙を流し続けてくれる潔子に胸がギュッと苦しくなった。
「それからどんどん皆が追い詰められていって、あの時何か言えてたら絶対変わってたってずっと思ってた。試合が終わってから皆泣いてたけど、私はなぜか泣くことができなかった。」
今だってそう。泣きたいのに涙なんて出てこない。
「学校に戻って片付けしてる時、ノヤと東峰の喧嘩を止めようとしなかった。いつも偽りの言葉ばっかり話してたから、なにを言うのが正しいのかわからなかった。」
「なんのために部活をしているのかわからなくなった。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 519人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さくみ(プロフ) - おかかのおにぎりさん» とても嬉しいお言葉ありがとうございます！春頃の県民大会なんですね！ご指摘ありがとうございます！直してきます。本当にありがとうございます！ (2020年3月13日 3時) (
レス) id: 8ec2e6d345 (このIDを非表示/違反報告)
おかかのおにぎり(プロフ) - さくみさんいつも楽しみに見させてもらってます！！潔子さん好きの私にはサイコーです！！一応補足させて頂きますが、東峰さんが伊達工に捕まりまくったのは、春頃の県民大会であって、春高とは恐らく別物かな、と。上からに思えたらすみません！続編も応援してます！ (2020年3月12日 8時) (レス) id: 64b2331bfd (このIDを非表示/違反報告)
さくみ(プロフ) - みおさん» ありがとうございます！潔子さんの話あまりないですよね、私もそう思います！！更新頑張りますね！ (2020年2月20日 6時) (レス) id: 7862236ae4 (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - 清子さんの話ってあんまりなくて見つけてすごい嬉しかったです！！これからどうなっていくのか楽しみです！更新頑張ってください〜待ってます！ (2020年2月20日 0時) (レス) id: 68de5461dd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さくみ | 作成日時：2020年2月16日 8時
