常連さん、できました.06 ページ6
おぉー、と2人が拍手をする。
少し恥ずかしくなりながらありがとうございます、と返事をすれば想定していた通りメトロノームのことを聞かれた。
「な、これなんなん？」
「....見るからに相当年季が入ってますね。」
『...これは、年の離れている幼馴染がくれたものなんです。
アンティーク系でレトロな喫茶店を開きたい、と相談したらプレゼントしてくれて...』
そんな彼は店を開いてからすぐ、どこかへ行ってしまった。現在、絶賛音信不通中だ。
言葉に詰まった私を見てなにか察してくれたのか、はたまた興味が無くなったのか。
話題は自然と別のものへと移った。
「ここにあるもん全部自分で揃えたん？」
『そうですね。色々な家具屋や雑貨店を回りました。』
「...珈琲の淹れ方は独学ですか？」
『はい。どうすれば美味しくなるかな、なんて思いながら研究してます。』
そうやって談笑している間にコーヒーを飲み終えてしまい、そろそろ帰るか、という雰囲気になった2人。
「なぁ、また来てええ？」
と聞かれ、『もちろん！』と返すと、じゃあ入り浸るなと返事をされた。
これは常連さん、ゲットだぜ！になるんだろうか。
そんなことを思いながら見送った。
明日は店はお休みにして、２階の掃除をしよう。
このビルは４階建てだ。
最上階の４階は私の住居スペースになっていて、現在３階と２階が空いている。
元々は祖父と祖母が所持していた建物で、亡くなった時に相続人として受け継いだのがわたし。
折角だからずっと憧れていたカフェを開こう、と決心したのがはたちの頃。
なんやかんや、気がついたら随分とマスターをしていた。
ちりんちりん＿＿＿＿
また、別のお客様がいらっしゃった。
悩みがあります、と言っているような窶れた顔の制服を着た女子高生くらいのおんなのこ。
『いらっしゃいませ、お好きな席にどうぞ！！』
微笑みかけると困惑しながら席に座る。
さぁ、貴方の悩みを聞かせてくださいな？
今日も〈喫茶 めとろ〉は沢山の悩みでいっぱいです。
第一章四流刑事END
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双雲銀(プロフ) - 酸水さん» 酸水様、コメントありがとうございます。素敵なお店と言って頂けて嬉しいです……！ 見つけて頂けただけでもう私は胸いっぱいなので、お気になさらないでください…！！！ またのご来店をお待ちしております！！！ (2022年1月3日 0時) (
レス) id: 24811d2493 (このIDを非表示/違反報告)
酸水(プロフ) - ランキング載ってて、タイトルが好みだったから覗いて見たら、銀太様でしたか…… 思わず一気見してしまいました…。喫茶店めとろ、素敵なお店でした。やー、もっと早く見つけられれば良かったなあ……(複雑) (2021年12月31日 9時) (レス) id: bcfadbcbc5 (このIDを非表示/違反報告)
双雲銀(プロフ) - ヴォルフさん» 神作品と言ってくださるなんて……字書き冥利に尽きます。コメントありがとうございます。 (2021年11月29日 17時) (レス) id: c910ec8157 (このIDを非表示/違反報告)
ヴォルフ - 神作品を見つけた・・・閉まりかたが好みでした！ (2021年11月27日 19時) (レス) @page45 id: 4a6bc2e12a (このIDを非表示/違反報告)
双雲銀(プロフ) - 藤棚乃花さん» ありがとうございますー！！！好みだなんて言って頂けるなんて身に余る光栄です…。応援に応えられるように頑張ります！！！ (2021年9月12日 18時) (レス) id: c910ec8157 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：双雲銀太 | 作成日時：2021年7月10日 20時
