あなたの悩みは.03 ページ3
『ふふ、なら良かったです。それで、お兄さん。良かったら、あなたのお悩みを聞かせてください。』
「え、なんで悩んでること知って.....」
お兄さんは信じられない、とでもいうような目で私を見つめてくる。
『感ですかねぇ。嘘だと思われるかもしれないんですけど、ここに来る方は大体なにか悩んだり行き詰まったりしているんです。
＿＿悩みを解決させて頂いた実績はありますよ？』
妖しく微笑んでみると、お兄さんは口を開いた。
「俺、刑事やってんよ」
『ほうほう』
「四流刑事、って聞いた事あったりせえへん？」
四流刑事、テレビでたまに取り上げられている。とある刑事のツーマンセルの名前らしい。
四流、と謳っているが刑事としての腕は超一流。独特な操作方法で迷宮入りは一切起こさない、と、兎に角いい噂しか聞かない。
だが、メディアに一切顔出しをしておらず、正体は不明とされている。
「それ、俺なんやけど」
『へ、？』
「捜査の方針で上司と口論してもうて.....もう、この仕事出来ないかもしれへんねん...それは嫌なんや。今の仕事にやり甲斐感じとるし、何よりエミさんと組むのが何よりも楽しいねん.....」
思っていたよりスケールの大きい話に困惑を隠せない。
でも、この話を聞くに私が助言出来ることは限られている。言葉を間違えないよう、慎重に声を発した。
『それは大変ですね。
私からひとつ、言えるとしたら。
時には妥協も必要ですよ。理不尽なことなんて星の数ほどあります。が、それに耐えれるかどうかが大切なんです。』
「でも、」
『ええ、そうですね。貴方は間違っていないかもしれません。
そんな時は、ぺこぺこ頭下げながら頭の中で悪態着きましょう。このはげー、なんてね。
それに貴方には、愚痴を聞いてくれる相方さんがいらっしゃるじゃないですか？』
私がそう言うと、お兄さんはハッとしたように目を見開いた。
鳩が豆鉄砲を食らったような、そんな顔。
「そうや、俺.....ありがとうな！！目ェ覚めたわ！！！」
満面の笑みで力強く宣言したお兄さん。勢いのまま立ち上がり、その反動でフードが脱げた。
その両眼に埋め込まれたペリドットは光を反射してきらきらと輝いていた。
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双雲銀(プロフ) - 酸水さん» 酸水様、コメントありがとうございます。素敵なお店と言って頂けて嬉しいです……！ 見つけて頂けただけでもう私は胸いっぱいなので、お気になさらないでください…！！！ またのご来店をお待ちしております！！！ (2022年1月3日 0時) (
レス) id: 24811d2493 (このIDを非表示/違反報告)
酸水(プロフ) - ランキング載ってて、タイトルが好みだったから覗いて見たら、銀太様でしたか…… 思わず一気見してしまいました…。喫茶店めとろ、素敵なお店でした。やー、もっと早く見つけられれば良かったなあ……(複雑) (2021年12月31日 9時) (レス) id: bcfadbcbc5 (このIDを非表示/違反報告)
双雲銀(プロフ) - ヴォルフさん» 神作品と言ってくださるなんて……字書き冥利に尽きます。コメントありがとうございます。 (2021年11月29日 17時) (レス) id: c910ec8157 (このIDを非表示/違反報告)
ヴォルフ - 神作品を見つけた・・・閉まりかたが好みでした！ (2021年11月27日 19時) (レス) @page45 id: 4a6bc2e12a (このIDを非表示/違反報告)
双雲銀(プロフ) - 藤棚乃花さん» ありがとうございますー！！！好みだなんて言って頂けるなんて身に余る光栄です…。応援に応えられるように頑張ります！！！ (2021年9月12日 18時) (レス) id: c910ec8157 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：双雲銀太 | 作成日時：2021年7月10日 20時
