Please worry.16 ページ16
「いや、うぅーん...なぁ、本職じゃない君に聞くのも野暮かもしれへんけど」
『？、はい。』
「＿＿＿俺らのどこがおもろくないと思う？」
ぱちぱち、と目を瞬いて鬱さんを見つめる。
おもろくない、ネタのどこが面白くないか、だろうか。
確かに野暮である。私はそちらの業界に疎くてどのようなものがいいか、なんて分からない
...率直な感想としては、だが。
色々考えて結局ありのまま、包み隠さず第一印象を言うことにした。
『なんか..カメラを気にしてる？って言うんですか。流石に限度ってものもありますが、ですが...。
尖りが足りない？』
「....悩んだ末に言われるそれは心にくるわ..やっぱりそうよな、尖りが足りない、かぁ...。」
眉を下げて傷心したように呟いたその姿に私の良心なるものはゴリゴリと削られていく。
なにか労る言葉をかけようとしたとき、勢いよく顔が上がった。
「よし決めたで！チーノ、今から次のネタ練り直しや！もっとインパクト与えるようなんにするで！！！もう教育によろしくないとか気にせえへん！！！」
そういった鬱さんの眼鏡の奥の瞳には覇気が宿っており、ああ良かった、大丈夫そうだと心の中で安堵した。いや、教育によろしくないことを言うのはどうかと思ったが。
チーノさんも鬱さんの覇気にあてられたのか、お、おー？と言いながら天井に向かって手を突き上げる。
そして直ぐに、マスター、ありがとな、と言い残しここを出て行ってしまった。
いきなりの豹変ぶりに少し驚きつつ、頑張ってくださいねー、と手をひらひら振って見送った。
ブラウン管テレビの中では、カメラも当てられない、たまにチラッと入り込むだけの2人が少し歪な作り笑いを浮かべて他の人の話を聞いているのが映っていた。
...健闘を祈る。
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双雲銀(プロフ) - 酸水さん» 酸水様、コメントありがとうございます。素敵なお店と言って頂けて嬉しいです……！ 見つけて頂けただけでもう私は胸いっぱいなので、お気になさらないでください…！！！ またのご来店をお待ちしております！！！ (2022年1月3日 0時) (
レス) id: 24811d2493 (このIDを非表示/違反報告)
酸水(プロフ) - ランキング載ってて、タイトルが好みだったから覗いて見たら、銀太様でしたか…… 思わず一気見してしまいました…。喫茶店めとろ、素敵なお店でした。やー、もっと早く見つけられれば良かったなあ……(複雑) (2021年12月31日 9時) (レス) id: bcfadbcbc5 (このIDを非表示/違反報告)
双雲銀(プロフ) - ヴォルフさん» 神作品と言ってくださるなんて……字書き冥利に尽きます。コメントありがとうございます。 (2021年11月29日 17時) (レス) id: c910ec8157 (このIDを非表示/違反報告)
ヴォルフ - 神作品を見つけた・・・閉まりかたが好みでした！ (2021年11月27日 19時) (レス) @page45 id: 4a6bc2e12a (このIDを非表示/違反報告)
双雲銀(プロフ) - 藤棚乃花さん» ありがとうございますー！！！好みだなんて言って頂けるなんて身に余る光栄です…。応援に応えられるように頑張ります！！！ (2021年9月12日 18時) (レス) id: c910ec8157 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：双雲銀太 | 作成日時：2021年7月10日 20時
