#16 ページ17
次の日。いつもよりゆっくり起きられる土曜日。
いつも通り黙ってご飯を食べて、
いつも通り家を出ると、
目の前には見慣れたピンクのゆるふわカール。
貴「…えっ」
n「よっ。久し振りの故郷の夜はどうだった？」
あんまり家に居たくなくてそそくさと家を出たのに、
何故nqrseが目の前にいるのだろう。
私が不思議そうな顔をしてることに気づいたのか、
nqrseはケタケタと笑いながら私の腕を引いた。
慌てて玄関から車道に出ると、
そのまま私の腕を引いて歩き出した。
n「お前、家の近くだと喋らないよな。」
貴「…故郷も何も、一応地元は大阪なんだけど。」
n「遅っ」
1歩歩く事に、
nqrseのふわふわの毛先が揺れる。
カツカツと音がすると思ったら、
nqrseはヒールの着いたブーツを履いていた。
あぁ、今日は女の子っぽいなあ。
そういや小学生の頃も女の子っぽい服の人割かし男の子の服装の時があったな。
…そのギャップがどうしようもなく私を安心させたっけ。
少しずつ昔の調子を取り戻す。
あぁ、やっぱり良くないな、あの家にいるとどうも毒されてしまう。
私は少しほ 歩幅を広げてnqrseの隣に行く。
貴「今日はどこ行くの？nqrse。」
n「おま、忘れたのかよ。
改造すんだろ？秘密基地。」
あ、そうだった。
…財布持ってきたけどそんなに入ってないなぁ、
大丈夫かな。
そういや、と思い出してnqrseを見る。
こっち戻ってからみんなの私服見るの、
今日が初めてだなぁ。
nqrseの私服姿も初めてだ。
昔とあんまり変わらない、けど格段に大人っぽくなった。
髪の間から覗く睫毛の長い綺麗な目。
ほんと、服装と相まってここだけ見たら本当に女の子みたい。
n「……なに、」
貴「え？」
n「あんまじろじろ見ないで、恥ずかしい」
貴「…っあ、ごめん」
目線だけこちらに向けるnqrse。
よく見ると若干耳が赤かった。
私も慌てて顔を背ける。
勢いに任せて手も離してしまった。
とくとくと心臓が脈打って早い。
びっくりした……。
そうだ、もう私たち小学生じゃないんだ。
…心が成長に追いつかない…
いつまでも私の中のみんなは小学生のまま。
きっとそれはあっちも同じ。
…なのにふとした瞬間大人のみんなが垣間見える。
驚いて早まったはずの心臓が嫌な動きをする。
どくんどくん、と重く響いて息苦しい。
頭がnqrseを男の子として認識し始めてる…？
考えるのやめよう、心臓に悪い。
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えりか(プロフ) - 面白くて、何度も読んでます！（読むたびに感動して泣いてる）更新頑張ってください！ (2021年8月8日 6時) (
レス) id: 6c8d491a92 (このIDを非表示/違反報告)
白猫 - すごく面白くて1番初めからぜんぶ呼んじゃいました！とっても大好きです。更新頑張ってください。 (2021年3月13日 15時) (レス) id: 27e2f649fa (このIDを非表示/違反報告)
藍樂(プロフ) - しおりさん» わー！ありがとうございます！頑張ります！ (2020年9月15日 11時) (レス) id: 90166bfc72 (このIDを非表示/違反報告)
藍樂(プロフ) - 黒兎さん» ありがとうございます！頑張ります！ (2020年9月15日 11時) (レス) id: 90166bfc72 (このIDを非表示/違反報告)
藍樂(プロフ) - False.さん» ありがとうございます！！ハッピーバースデー！！ (2020年9月15日 11時) (レス) id: 90166bfc72 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんとわねっと | 作成日時：2019年2月10日 22時
