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#14 ページ15

お久しぶりです…!
これからまた更新頑張ろうかなと…
P.S. このシリーズ全作公開し直しました。復習にどうぞ!
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見慣れているような何か少し変わってしまったような道を歩く。
昔はいつも2人分だった足音も今日は1人分。
なんだかそれが、寂しく感じてしまった。

あぁ、いつからこんなに弱い人間になってしまったのだろうか。


向こうの生活は、正直言うと最悪だった。
慣れていたはずなのに馴染まない関西弁。
友達の干渉癖。そして何より向こうの方が情報の伝達スピードが早かった。
私が転校してくる頃には私があの「集団家出」の首謀者であることが知れ渡っていたし。

私のことをよく知らない家族、
私のことをよく知らない友達、
私のことをよく知らない近所の人。
みんなが私を冷たい目で見て指さして言った。

「親不孝」「反抗期」「ガキ大将」。
こうして私はどんどん自分の殻に閉じこもるようになった。心の支えだったEC隊ですらも無かったことにしようとした。

そんな中、
唯一家族だけは私の味方をしてくれた。
優しいお父さんとお母さん。
家の中では幸せでいられた。
……最初の方は。


貴「……ただいま。」


懐かしい外見の家。
昔住んでた東京の家にまた戻ってきたのだ。
昔と同じようにカバンの持ち手をぎゅっと掴んで扉を開ける。声にならない声で帰ったことを伝える。
物音で気づいたのか、
奥のリビングからお母さんの「あら、おかえり」という声が響いた。

リビングに戻ると料理をしているお母さんと、
テレビを見ている宗介…お父さん。
お母さんはキッチンに向かってこっちを一切見ていなかった。

宗「おかえり、Aちゃん。」

貴「……っ!!」

にこやかに私を出迎えた宗介さんが私の腰を抱き寄せた。ゾワッと全身の毛が逆立つ様な感覚がして私は彼を押しのける。
そのままぺこりと頭を下げた。

宗介さんは一瞬面白くないような顔をしていたが、
すぐ「いて、」と嫌になるほど優しい声で呟いた。
その声に気づいてお母さんが振り返る。

母「あんた何やってるの!」

貴「っ!」

腰をさする宗介さんと、
私に怒鳴るお母さん。
お母さんは慌てて宗介さんの所に駆け寄る。
宗介さんはにこにこと笑いながら首を横に振った。

宗「いやいや、ちょっと怪我してた所を触っちゃったみたい。ごめんね。」

母「あら、そうなの。気をつけなさいよ〜。」

そう、これ。
これが今1番私を悩ませてる。

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えりか(プロフ) - 面白くて、何度も読んでます!(読むたびに感動して泣いてる)更新頑張ってください! (2021年8月8日 6時) (レス) id: 6c8d491a92 (このIDを非表示/違反報告)
白猫 - すごく面白くて1番初めからぜんぶ呼んじゃいました!とっても大好きです。更新頑張ってください。 (2021年3月13日 15時) (レス) id: 27e2f649fa (このIDを非表示/違反報告)
藍樂(プロフ) - しおりさん» わー!ありがとうございます!頑張ります! (2020年9月15日 11時) (レス) id: 90166bfc72 (このIDを非表示/違反報告)
藍樂(プロフ) - 黒兎さん» ありがとうございます!頑張ります! (2020年9月15日 11時) (レス) id: 90166bfc72 (このIDを非表示/違反報告)
藍樂(プロフ) - False.さん» ありがとうございます!!ハッピーバースデー!! (2020年9月15日 11時) (レス) id: 90166bfc72 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あんとわねっと | 作成日時:2019年2月10日 22時

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