ツンデレ56─番外編第二話─ ページ6
会いたかった？
中也君が？私に？
「……何で頬抓ってンだゴラ」
「厭…偶には優しくして欲しいと思ってる私の都合の良い夢かなって」
ぐっ、と言葉に詰まる中也君。
思い当たる節が多過ぎるんでしょ分かるよ私が一番分かってるよ。
「いひゃい」
「夢じゃ無ェだろ」
「…うん」
其は其で如何なんだろう。
…………まぁ細かい事は良いか！
「誕生日なら仕方無いなぁ。お酒飲む？」
「あ？無いンじゃねぇのか？」
「一緒に買いに行こう。一人で行っても良いけど荒らされそうで信用ならないからね！」
“てめ……っ！”と中也君が額に青筋を浮かべる。
嗚呼、怒らせちゃった。
来るであろう衝撃に備えて目を瞑ったが、来た衝撃は思いの外、と云うか殆ど無かった。
「……？」
恐る恐る目を開けたら、優しい瞳をした中也君が私の頭に手を伸ばしていた。
青い綺麗な瞳。
女の子受けするだろうその整った顔より、皆は瞳をちゃんと見れば良いと思うんだ。
顔よりその人の事がよく判る。
一番良い例はあくちゃんなんだけどね。
「……へぇ、撫でられると大人しくなんだな手前」
「…莫迦じゃないの」
「うっせ」
不覚にも少し照れてしまい顔を背けた侭財布を掴んで玄関に向かう。
中也君も来た。
「安物の麦酒で我慢してよね」
「手前と飲めるんなら構わん。何なら俺が払う」
「誕生日なんだから良いの」
中也君が二十三歳か。
歳上……何か悔しい。
「ンじゃ奢られて遣るとするか」
にひっ、と笑う中也君。
抑も身長で止められるかも知れないからとは云えなかった。
「じゃあ行こっか」
「おう！」
その後、私が遣る以前にお酒の場所に行く前に、中也君が女子に捕まっていた。
助ける？……………何で？
滅茶苦茶助けろって目で見られる。
…誕生日だし仕方無い。
そして何だかんだで部屋に戻る事が出来た。
そう云えばこんな夜に誰かと二人きりなんていつぶりかな。
「柚」
「なに？」
「……手前は俺の事を如何思う」
「んー、チビの素敵帽子」
缶がミシリと音を立てた。
気にせず言葉を続ける。
「でも、優しくて部下想いで、此で私優しくされてたら二年前惚れてたかも、なんて」
冗談めかして云うと、既に酔っているのか、中也君が私を赤い顔で見詰めて来た。
ふんわりとした髪が、青い瞳が、僅かに揺れる。
「………柚」
「ん？」
「俺は、手前がこの世で一番綺麗だと思う」
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果鈴 - めっちゃ面白かったです。テスト期間なのに夢中で読んじゃったです (2019年9月30日 17時) (
レス) id: 5b8fccba8f (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - 葡萄シャーベットさん» 葡萄シャーベットさんありがとうございますー！落ちは中也さんも太宰さんも全員分書かせて頂きますー！！！気長にお待ち下さいませ！ (2017年6月24日 14時) (レス) id: baffe8ba31 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - 傀儡さん» 傀儡さんありがとうございますー！！落ちは全員分書かせて頂くので！遅筆、雑文ながらに頑張りますので気長にお待ち下さいませ！！ (2017年6月24日 14時) (レス) id: baffe8ba31 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - 妃薫。さん» 妃薫。さんありがとうございます！！落ちは中也さん含める全員分書かせて頂くつもりですのでお待ち下さいね！！ (2017年6月24日 14時) (レス) id: baffe8ba31 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - 鶴夜さん» 鶴夜さんありがとうございます！神では無いですよー！！笑 落ちは全員分書かせて頂くので気長にお待ち頂けたら幸いです！ (2017年6月24日 14時) (レス) id: baffe8ba31 (このIDを非表示/違反報告)
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